朴大統領=(聯合ニュースTV)
朴大統領=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓国野党による朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾に向けた動きが加速する中、弾劾訴追案が可決され、首相が国政を代行する場合の権限について関心が高まっている。 韓国の憲法71条には大統領が空席、または事故などにより職務を遂行できない場合は、首相がその権限を代行すると定めているが、その範囲については明確な説明がない。 過去の例を見ると、これまでに韓国で首相などが大統領の職務を代行した例は4回ある。 1回目は1960年4月27日に当時の李承晩(イ・スンマン)大統領が辞任し、大統領代行の序列1位だった許政(ホ・ジョン)外務部長官が代行した。2回目は1962年3月24日に、尹ボ善(ユン・ボソン)大統領が辞任し、軍事クーデターの中心にいた朴正煕(パク・チョンヒ)将軍が国家再建最高会議の議長として大統領を代行した。3回目は1979年10月26日に朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が殺害され、崔圭夏(チェ・ギュハ)首相が大統領を代行。最近では2004年3月12日に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に対する弾劾訴追案が可決され、高建(コ・ゴン)首相が代行した。 憲法学者などによると、大統領代行の職務範囲は大きく4種類に分かれる。まず、首相が国政の停止を防ぐ範囲内で限定的に権限を行使するという見解が多数を占めている。同見解では大統領代行は閣僚、最高裁判事、憲法裁判所裁判官などに対する人事権を行使することはできない。また自由貿易協定(FTA)のような重要な協定や条約を締結することはできない。 2番目に多いのは代行者の業務には制約がなく、大統領のすべての権限を行使することができるという見解だ。 また大統領が空席の場合は積極的に権限を行使できるが、事故などにより一時的に職務遂行が難しい場合は現状維持に務めるという見解、状況に合わせて判断するとの見解などがある。 盧元大統領の代行を務めた高元首相は当時、一部の業務だけを遂行した。 弾劾訴追案が可決され、現在の人事が維持された場合、黄教安(ファン・ギョアン)首相が大統領を代行することになる。 その場合に注目されるのは、憲法裁判所の所長任命と12月19~20日の開催で調整している韓中日3カ国首脳会談への出席となる。 現在の憲法裁判所長の任期は来年1月31日までで、来月初めに弾劾訴追案が可決された場合、代行者が後任を任命する可能性がある。ただ黄首相は自身の役割を「現状維持」と捉え、憲法裁判所の人事権は行使しない可能性が高い。 日本で開催される予定の韓中日首脳会談には大統領代行として参加するのか、外交当局と協議して決めるとみられる。
Copyright 2016(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0