韓国と日本はGSOMIAを締結する=(聯合ニュースTV)
韓国と日本はGSOMIAを締結する=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓国と日本が防衛秘密を共有するための軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結が23日に迫った。GSOMIAは22日に閣議承認され、朴槿恵(パク・クネ)大統領が承認した。承認は、韓国政府が先月27日に日本とGSOMIA締結に向けた交渉を再開する方針を発表してから26日後のことだ。1カ月足らずで審議を終えたことになる。 GSOMIAは国家間での軍事情報の共有を目的に締結される協定で、情報の伝達、保管、破棄、複製、公開などに関する手順を規定している。 韓国は現在、ロシアを含む19カ国とGSOMIAを締結しているが、日本との締結に関しては両国の地政学的な条件を踏まえ、外交・安保面で特別な意味を持つと評価される。 何より、日増しに高まる北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する両国の対応能力がより一層強化されることになる。 日本は情報収集用偵察衛星5基(予備1基含む)を保有しており、北朝鮮の核・ミサイル施設の写真・映像情報収集能力を持っている。 韓国は通信傍受による諜報(ちょうほう)やヒューミント(人的情報)の収集能力に優れている。 異なる分野で優れた情報収集能力を備える両国がGSOMIAを締結することで、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対抗する相乗効果が期待される。 北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)をはじめ水中の脅威についても両国が情報共有を通じ協力できる領域は広い。日本が保有する海上哨戒機は77機と韓国(16機)より、はるかに多い。 韓国政府が2012年6月に締結直前で延期になった日本とのGSOMIAを約4年後にあらためて推進することを決めた背景には、今年に入って北朝鮮が強行した4、5回目の核実験がある。 両国は14年末に締結した韓国、米国、日本の3カ国間による防衛情報共有に関する覚書に基づき、制限された範囲内で米国を介し間接的に軍事情報を共有してきた。 しかし、韓国政府は北朝鮮の脅威が増す中でより効果的に対応するには直接的な情報共有を可能にするGSOMIAの締結が必要だとの立場だ。 両国のGSOMIAは北朝鮮への対応を超え広範囲での軍事協力を強化する足がかりになるとみられる。 韓国軍と自衛隊が軍事作戦を行うためには情報と物資を円滑にやり取りすることが求められる。このため両国はGSOMIAに続き物品役務相互提供協定(ACSA)の締結に乗り出すのではないかという見方が出ている。 韓国国防部の文尚均(ムン・サンギュン)報道官は21日の定例記者会見で、韓日のACSA交渉について「さまざまな状況を判断し、考慮することになる」と述べた。 両国の軍事協力は米国が主導する北東アジア地域における韓米日3カ国の軍事力強化にもつながる。 米国は北朝鮮の抑止だけでなく中国へのけん制も念頭に3カ国の協力を推進し、韓日のGSOMIA締結を強く求めてきた。 ただ、安倍晋三首相が歴史認識問題で従来の立場を変えず、「戦争ができる国」になることを目指している状況で韓国が日本とGSOMIAを締結することは危険な選択だとする反対意見も根強い。 韓国軍が保有する北朝鮮の核・ミサイル情報を日本と共有することが、北朝鮮の脅威を口実にした自衛隊の朝鮮半島進出につながるとする懸念も聞かれる。 韓日は昨年末の慰安婦問題をめぐる合意で歴史認識問題が一段落したという立場だが、日本国内での右派勢力の動きに周辺国の懸念は消えない。 韓国政府は世論の関心が朴大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)容疑者の国政介入事件に向けられている隙に、外交・安保の重大事案であるGSOMIAの締結を強引に進めたという批判は避けられない。 韓日が未来志向の軍事協力関係を構築するためにも、国民のコンセンサスを得ることが不可欠だが、これを省いたことで今後、ACSAを含む軍事協力を推進するのは容易ではないという指摘が出ている。 野党の激しい反発も予想される。「共に民主党」と「国民の党」、正義党の野党3党はGSOMIAの締結に反対し、近く国会に韓民求(ハン・ミング)国防部長官の解任建議案を提出する可能性がある。
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