【ソウル聯合ニュース】朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)容疑者の国政介入疑惑による混乱でまひ同然の状態に陥っていた青瓦台(大統領府)が、一部の国政運営を再開し、これを批判する野党側と対立を深めている。崔容疑者に絡む一連の疑惑を受け、これまで低姿勢に徹していた青瓦台が「反撃モード」に転じた格好で、その背景が注目される。 青瓦台と野党が衝突しているのは、朴大統領が16日、南東部の釜山・海雲台の開発事業をめぐる不正を徹底して捜査し、厳しく処罰するよう法務部に指示したことだ。 さらに、朴大統領が外交部の次官人事を行い、青瓦台の趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室第1次長を含む政府高官をトランプ新政権側との協議のため米国に派遣したのに加え、来週の閣議の議題を検討していると伝えられると、野党側からは不利な局面を変えるための「小細工」だといった批判が噴出した。 これに対し、青瓦台の関係者は17日、聯合ニュースの取材に「基本的な大統領の国政遂行をやみくもに批判するのは野党的な論理であり、われわれを完全に武装解除させようとするものだ」と強い口調で反論した。 また、野党第2党「国民の党」の朴智元(パク・ジウォン)非常対策委員長兼院内代表が、海雲台開発事業をめぐる捜査指示を「朗報」としておきながら、翌日になって「小細工」と評価を変えたことを念頭に、「正反対の立場を行き来しながら大統領をひたすら窮地に追い込もうとする態度は、野党の代表として正しいのか」と指摘した。 別の青瓦台関係者は、今の政局は「強」対「強」だとし、「野党が院外闘争を宣言して宣戦布告したため、われわれは必要なことをしている」と述べた。 青瓦台のこうした反転攻勢は、朴大統領の退陣を求める先週末のソウルでの大規模抗議集会に100万人(主催者側推計)が集まり、検察による朴大統領の参考人聴取が迫るなど、厳しい立場に追い込まれている現状を踏まえるとやや意外だ。混乱の中でも国政の運営主体として最小限の責任を果たす姿を見せることで、イメージ回復と支持層の呼び戻しを狙う意図がありそうだ。 朴大統領が米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備や日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結の推進といった従来の外交・安全保障政策を貫き、中学・高校の韓国史教科書の国定化を撤回する動きを見せていないことも、支持層の呼び戻しを意識したものと受け止められる。 朴大統領と青瓦台は海雲台開発事業の不正問題を俎上(そじょう)に載せて世論の関心を多少なりとも分散させると同時に、検察の聴取を先送りして時間を稼ぎ、世論の隙をうかがうとの見方も出ている。
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