済州島を訪問した観光客(資料写真)=(聯合ニュース)
済州島を訪問した観光客(資料写真)=(聯合ニュース)
【済州聯合ニュース】今年、韓国南部の済州島を訪問した観光客が初めて年間1500万人を超えるとみられる。 済州特別自治道観光協会によると、今年1月から今月9日までに済州島を訪れた人は1383万7445人だ。 1カ月に100万人前後が済州島を訪問することを踏まえると、年末には1500万人を突破する可能性が高い。 2013年に1085万1265人と年間1000万人を達成後、14年に1227万3917人、昨年は1366万4395人と、国内外の悪材料にもかかわらず、済州島を訪れる観光客は年々増加傾向にある。 済州島を行政区域に持つ済州道は13年12月の報告会で、年間観光客2000万人を目指し18年に年間1500万人(韓国人1000万人、外国人500万人)達成を目標に設定したが、2年前倒しで実現する見通しとなった。 ◇観光客増加の勢い、予想上回る 済州島の観光客増加を後押ししているのは中国人観光客だ。 中国人観光客は今年1月から11月までで約275万人と前年同期(約195万4000人)比40.7%増加した。これは外国人観光客全体の86%を占める。 済州道は世界自然遺産、世界ジオパーク、生物圏保護区と国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定する自然科学分野の「3冠王」を獲得したことで国内外での知名度が高まったほか、アクセスが容易になったことなども観光客増加につながったとみている。 ◇観光市場の偏りは変わらず 観光客は増えているものの、その恩恵にあずかるのは一部の大企業や中国資本の企業に限られている。 韓国銀行(中央銀行)が韓国人観光客向けに営業する飲食店や宿泊業者の売上高を意味する国内民間消費支出を調査した結果、10年の6080億ウォン(現在のレートで556億6000万円)から13年には4840億ウォンと20.4%減少した。  韓国人観光客は増加したが、地元で使う1人当たりの消費支出が減少したり、一部の大企業が運営する宿泊施設や飲食店に偏ったりしている。 また、ロッテ免税店や新羅免税店など大企業が運営する2カ所の外国人専用免税店の売上高は1~8月に8079億ウォンと、前年同期比68.3%増加した。 中国人を案内する旅行ガイドの半分以上は朝鮮族(韓国系中国人)の無資格ガイドで、特定の中国資本旅行社が9割以上の中国人クルーズ船団体客を独占しているという。 済州道は観光の質の向上を図っているが、実感できるようになるまで相当な時間がかかるとみられる。 中国に偏った外国人観光市場の多角化も課題の一つだ。 済州観光公社は「日本からのチャーター便やクルーズ船の誘致、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国を中心に直行便の拡充を目指す」と説明した。
Copyright 2016(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0