ハノイ市内の宿舎に入る李氏=先月26日、ハノイ(聯合ニュース)
ハノイ市内の宿舎に入る李氏=先月26日、ハノイ(聯合ニュース)
【ハノイ、ジャカルタ聯合ニュース】北朝鮮の李洙ヨン(リ・スヨン)朝鮮労働党副委員長(国際担当)が東南アジア歴訪を中断し、急きょ帰国したことが1日、分かった。 インドネシアの政界に詳しい複数の消息筋によると、李副委員長は当初、先月31日にベトナムから香港を経由しインドネシアに入国する予定だったが、突然キャンセルして中国に向かい帰国の途に就いた。 李副委員長が歴訪を中断した理由は、インドネシアの与党・闘争民主党の党首、メガワティ元大統領との面会が実現しない見通しになったためとされる。 メガワティ元大統領は、2011年に死去した金正日(キム・ジョンイル)総書記と親しく、金総書記が亡くなる直前に同党党首として訪朝している。 李副委員長はこのときの返礼として先月31日から今月3日までインドネシアを訪問し、メガワティ元大統領を表敬訪問しようとしたが、同党側が最後まで面会可能かどうかを伝えなかったため訪問をキャンセルしたとみられる。 現地消息筋は「李副委員長は党対党の交流協力を通じ核実験や弾道ミサイルの発射で生じた外交的孤立を打開するきっかけをつくろうとしたようだが、思惑通りにはいかなかったことになる」と話した。 インドネシアは北朝鮮の伝統的な友好国だが、最近、北朝鮮最高人民会議代表団のインドネシア国会訪問や北朝鮮高官のインドネシア外務省訪問を相次いで拒否するなど、北朝鮮と距離を置いている。 一方、東南アジアの外交関係者の間では、李副委員長の訪問に関連し米国がインドネシア側に圧力をかけたのではないかとする見方も出ている。 東南アジア諸国連合(ASEAN)のある外交官は、「これは先月21~22日にマレーシアで米朝が非公式に接触したことで対北朝鮮対話論が取り沙汰されていることを受け、米政府が公式的な立場を明確にするための措置である可能性がある」と分析した。 李副委員長は先月24日にベトナムとインドネシアを訪問するため平壌を出発。28日からベトナム・ハノイで開かれた世界共産党・労働党国際会議に出席した。同会議を機に国際的な孤立を打開するため各国関係者と協力策を議論したが、ベトナム政府高官とは特に接触しなかったとされる。
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