【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が韓国担当組織にサイバー宣伝活動を行う専門チームを設置し、「第4世代戦争」といわれるサイバー心理戦を強化していることが24日、分かった。 韓国政府関係者は「北は軍偵察総局、党の統一戦線部文化交流局、朝鮮6・15編集社など(韓国担当)組織で、韓国のポータルサイトに掲載されたデマやうわさ話をインターネットや会員制交流サイト(SNS)に流す専門チームを運営している」と伝えた。 同関係者によると、このチームは外部から大量のデータを送り付けサイトをパンクさせる「DDoS(ディードス)攻撃」やハッキングに重点を置いているほか、海外に派遣された要員らが韓国関連情報の収集や虚偽情報流布などのサイバー心理戦も行っているという。 このチームが、北朝鮮が運営するメディアだけではなく、韓国のインターネットサイトに直接掲載、流布していることも確認されたという。中国の北朝鮮レストランの従業員13人が集団で逃げ出し、韓国に亡命した際、朝鮮労働党の統一戦線部は海外の工作員らに対し、従業員は韓国当局によって拉致されたと主張するよう指示。工作員らがこうした趣旨の内容を韓国のインターネットサイトに掲載したという。 北朝鮮のサイバー心理戦は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が2013年8月、「サイバー攻撃は核・ミサイルと共に軍の攻撃力を担保する万能の宝剣」と言及してから活発になったとされる。 サイバー心理戦を行う統一戦線部文化交流局は世界の主な拠点に専門要員を配置し、ポータルサイトや北朝鮮寄りのサイトに接続し、北朝鮮の体制を宣伝する書き込みや韓国国内の懸案についてコメントを掲載するなどの活動を行っているとされる。 朝鮮6・15編集社は中国・瀋陽で「わが民族同士」「柳京」などの宣伝サイトや北朝鮮寄りネットメディア「民族通信」などを管理している。 北朝鮮が運営している宣伝サイトは約80、海外にある北朝鮮寄りのサイトは約160に上るとされる。 北朝鮮の宣伝サイトは最近、北朝鮮従業員の集団脱北や米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備など、韓国内の世論を二分させられる話題に集中している。3月に開設された北朝鮮のインターネットメディア「メアリ」は4月、集団脱北した北朝鮮従業員のうち、1人がハンガーストライキ中に死亡したとのデマを流した。メアリは米国にサーバーを置いている。 高麗大北朝鮮学科の南成旭(ナム・ソンウク)教授は北朝鮮のサイバー心理戦について、「過去のようにスパイを送り込んで工作を行うことは徐々に難しくなっている。費用がかかり、副作用もある」と指摘。「そのため、サイバーという目に見えない戦争を始め、効果もあった。費用もかからず、接近も容易だ」と説明した。
Copyright 2016(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0