【ソウル聯合ニュース】韓国外交部は25日、旧日本軍の慰安婦被害者のうち、生存者に各1億ウォン(約900万円)、死亡者の遺族に各2000万ウォンの現金を支給する方針を決めたと明らかにした。 被害者支援のために韓国が設立した「和解・癒やし財団」に日本政府が拠出する10億円から支給されるもので、外交部は「慰安婦被害者の名誉と尊厳の回復、心の傷を癒すことが目的」だと説明した。10億円は早ければ今月中にも送金される見通し。 10億円を活用した事業は被害者個人を対象にした現金支給事業と全ての被害者のための事業に分けて推進される。  外交部は被害者個人に対する現金の受け渡し方法について、財団が対象者の状況を把握し、これに基づき支給する方法を取ると明らかにした。現金は分割支給を原則とする。 また生存者に支給される1億ウォンという金額は上限ではなく「ガイドライン」であり、1人当たりの支援金は場合により1億ウォンを超えることもあると外交部当局者は説明した。 韓国政府に登録されている被害者238人のうち、生存者は40人。昨年12月28日に韓日が慰安婦問題で合意してから6人亡くなった。 現金支給とは別に推進される財団の事業は韓日の合意を踏まえ、両国政府が適切と見なす範囲内で財団が自主的に決める。 韓国政府当局者は「財団は近日中に理事会を開き、具体的な事業に関する議論を進めることになる」と伝えた。  また、「個別被害者対象事業の場合、全額現金で支給することにしたのには相当な意味がある」とした上で、「現金支給の名目も医療・福祉に限定せずに名誉回復、心の傷の治癒という包括的な目的を達成するためのものだ」と説明した。  さらに、「(被害者支援のために日本政府が1990年代に設立した)アジア女性基金は生存している被害者だけを対象にしたが、今回は死亡者も対象に含まれ、非常に意味がある」と強調した。 10億円については、「日本政府が予算のうち予備費から支出する。名目は国際機関などに対する拠出金であり、政府開発援助(ODA)や経済協力資金などとは異なるもの」と説明した。 一方、10億円が「賠償金」であるかについては明確にされず、「玉虫色」のまま残された。 これとともに韓日政府は昨年の合意を通じて責任を認めて謝罪した日本政府の誠意を被害者に伝えるための感情面の措置についても協議中であることが分かった。駐韓日本大使による被害者訪問や安倍晋三首相の書簡などが検討されているとみられる。
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