【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が24日に、またも潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行った。ミサイルは東海上空を500キロ飛行し、日本の防空識別圏内の海上に落下したという。北朝鮮がSLBM発射実験を行ったのは今年だけで3回目となる。軍当局は通常、SLBMが300キロ以上飛行すれば、発射成功と判断するため、今回の実験は「成功」したことになる。そのため、韓国全域を攻撃できる北朝鮮のSLBMの実戦配備が来年初めごろに早まるとの分析が出ている。韓国の安保に深刻な脅威になると言わざるを得ず、急いで対策を講じなければならない。 発射実験後、韓国政府が直ちに国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開いたのも、北朝鮮のSLBM技術が予想より急進展したと判断したからとみられる。韓国軍当局はこれまで、早ければ2~3年内に北朝鮮がSLBMを戦力化すると予想していた。今回の実験の飛行距離だけをみれば、北朝鮮のSLBMは北朝鮮側の海から韓国全域を攻撃できる計算になる。特に、潜水艦は密かに動く戦略兵器で察知することが難しいことから、脅威的と言える。SLBMに小型化した核弾頭が搭載されれば、その威力はまさに恐るべき水準になるだろう。現段階で北朝鮮がSLBMを実戦配備した場合、有効な防衛手段は事実上ないというのが専門家たちの主張だ。北朝鮮は今回、SLBMを通常よりも角度をつけて発射し、飛行距離を縮めたとされる。通常の角度で発射すれば、射程は1000キロ以上になると推定されている。韓国軍当局は北朝鮮がSLBMの最大射程の2500キロまで発射できる能力をすでに保有したと判断している。それならば、SLBMは朝鮮半島だけではなく、日本や米国にも直接的な脅威になり得る。 北朝鮮の今回のSLBM発射には核弾頭運搬手段の多様化という軍事的意味のほか、さまざまな意図が見え隠れする。まずは22日から始まった韓米定例の合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)への反発だ。また、北朝鮮エリート層の脱北などによる内部の動揺を防ぐため、住民の関心を外部に向けさせる目的もあっただろう。ミサイル能力を誇示することで、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」では防衛できないとの認識を広げ、韓国内の対立をあおる狙いがあったとの見方もある。北朝鮮の意図が何であれ、重要なのは韓国がTHAAD配備問題で「内輪もめ」をしている間に北朝鮮のミサイル能力は日々高まっていることだ。にもかかわらず、北朝鮮の核とミサイル危機が日常化し、韓国社会の危機意識は次第に薄れている感がある。根拠のない安保楽観論は警戒しなければならない。さまざまな脅威に徹底して対応することこそ、国家安保を強化する道になる。
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