「体中のすべてのエネルギーを使い果たした感じです。充電期間が要るようです」――。116年ぶりに五輪に復帰したゴルフの女子で金メダルに輝いた韓国の朴仁妃(パク・インビ)。後半はセーフティーリードを保ち余裕の優勝かと思われたが、五輪の重圧は予想以上に大きかったようだ。左親指のけがのため不振だった今シーズン。五輪出場も危ぶまれたが、2位に5打差の圧倒的な勝利を飾った。4年後の東京五輪に向けても「良い目標になるだろう」と意欲を示した。 以下は公式記者会見などでの一問一答。―― 金メダルの意味は。「この1カ月、五輪のために懸命に努力した。今年に入って不振で、多くの大会に出場できなかった。五輪についても大きな期待はせず、ただ準備してきたものを見せたかった。周囲では『ほかの選手が五輪に出るのでは』という声も聞こえてきた。まだできるということを見せたかったので幸せだ」―― 不振が続いていたのに五輪で優勝できた理由は。「けがのためスイングが乱れていたので、スイングに重点を置いていた。ショットに自信がでると、バーディーの機会も増えていった。夫と夫の先輩にスイングを修正してもらった。結果についてはどうこう言えないが、限界に挑戦するという気持ちで準備した。後悔のない五輪にしたかったし、オリンピアン(五輪出場選手)として謙虚な気持ちで挑戦したことが良い結果につながった」―― 優勝はいつ確信したのか。「実際のところ、スタートが良かったので前半からある程度意識はしていた。浮かれるといけないので、気持ちを静めるよう努力した。実際に10番のボギーで自然と気持ちが引き締まった。勝利を確信したのは17番のバーディー。これで何をしても優勝だろうと思った」―― 五輪前、実戦経験が足りなかったと思うが。「本当は五輪前に多くの大会に出場して、感覚を養い、緊張感やプレッシャーを和らげ楽にプレーしたかった。ただ、状況が変わってしまったので、ただただ後悔しないよう一生懸命やった。自らを鼓舞する自信をつけようと努力した」―― 左親指は完治したのか。「まだ痛みはあることはある。今大会はけがを言い訳にしたくなかった。けがのために飛距離が出ず、ミスショットがあったのは事実だが。早く完治させたい」―― 五輪後、何がしたい。「五輪のことしか考えていなかったので、何も思いつかない。まずは完璧なコンディションを取り戻すことが重要。ここ1か月間緊張し、心身ともに酷使してきたので体内にエネルギーがまったく残っていない状態だ。充電期間が必要だ」―― 世界初の「ゴールデンスラム」(メジャー4大会と五輪制覇)を達成した気分は。「実際、そんなことは知らなかったが、先週、そういう言葉があることを知った。そんな業績を残せればと思ったが、実現することができ幸運だし、光栄だ」―― 優勝後、泣かなかった。「元々、泣かない。こみ上げるものはあったが、涙は出なかった。最近泣いたのはいつだったかな。2月に義父が亡くなった時には泣いた」―― 今後の目標は。「何をすればいいかな(笑)。(20年東京五輪まで)プレーしているか分からない。その時、現役ならいい目標になるだろう」
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