米国の最新鋭地上配備型迎撃システムのTHAAD(イメージ)=(聯合ニュース)
米国の最新鋭地上配備型迎撃システムのTHAAD(イメージ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】在韓米軍に配備される米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」について、韓国と米国はTHAADのレーダーが探知した北朝鮮のミサイル情報を日本とは共有しない方針を立てていることが25日、複数の韓国政府消息筋の話で分かった。THAAD配備をめぐり、韓国が米国と日本のミサイル防衛(MD)体制に取りこまれるとの指摘を払拭(ふっしょく)する狙いがあるとみられる。 消息筋は「韓国は韓米日情報共有の取り決めにより、韓国軍が収集した北の核とミサイル情報を米国経由で日本と共有することになっている」として、「こうした取り決めのため、在韓米軍のTHAADレーダーの探知情報まで日本に提供するのではないかという主張があるが、事実と異なる」と説明した。 別の消息筋は「技術的にはTHAADレーダーの探知情報を(日本と)共有できるが、北のミサイルの下降段階に関する探知情報を早期警報の目的で活用することは実効性がない」として、「THAADレーダー情報は日本に提供されない」と伝えた。 また、「THAADのレーダーが探知した情報は米本土とも共有しない」と説明。「韓米のミサイル防衛指揮統制も韓国軍と米軍が別々の体制を維持する」とした。その上で、「THAADは北の核とミサイルに対応し、韓国と韓米同盟の軍事力を守る用途で運営される米軍の独自運営システム」と強調した。 韓国南部の星州に配備される予定のTHAADの統制所は在韓米軍の地対空誘導弾・パトリオットミサイルの統制所とつながり、韓国軍の弾道弾早期警報レーダー「グリーンパイン」とは連動しないとされる。韓米両軍は韓国軍連動統制所(KICC)と米軍連動統制所(JICC)をデータ共有システム「リンク16」でつなぎ、THAADとグリーンパインの探知情報を共有する方針だ。 一方、在韓米軍はTHAADが配備される砲兵部隊1カ所の年間運営維持費が約40億ウォン(約3億7000万円)になると推計している。在韓米軍・パトリオット砲兵部隊の年間運営費の約2倍となるが、THAADは莫大な運営費用がかかり、在韓米軍駐留経費負担(思いやり予算)が大きく増えるという主張とは隔たりがある。韓国政府の消息筋は「THAADの運営費用について、国内の一部の専門家たちは多大なコストがかかると主張するが、実際は多額のコストがかかるものではない」と強調した。
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