【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は22日、北朝鮮の昨年の国内総生産(GDP)が実質で前年比1.1%減少したとする推計を発表した。2011年末に金正恩(キム・ジョンウン)体制が発足して以降、初めてマイナス成長を記録したと分析している。◇電気・ガス・水道業や鉱業など振るわず 韓銀によると、北朝鮮は2009年(マイナス0.9%)と10年(マイナス0.5%)にはGDP成長率がマイナスとなったが、11年から14年にかけては0%台後半から1%台前半のプラス成長を記録。昨年は5年ぶりのマイナスとなったとみられている。 同行は、昨年の北朝鮮経済は建設業で4.8%のプラス成長を記録した一方、電気・ガス・水道業(マイナス12.7%)、製造業(マイナス3.4%)、鉱業(マイナス2.6%)、農林漁業(マイナス0.8%)が振るわなかったと説明している。 北朝鮮の昨年の名目国民総所得(GNI)は韓国の2.2%水準と集計された。 また、北朝鮮の昨年の対外貿易額は62億5000万ドル(約6600億円、韓国との貿易を除く)で、前年に比べ17.9%急減した。鉄鉱石など鉱物の国際価格が下落したことや中国への石炭輸出などの減少が影響した。 北朝鮮の輸出額は前年比14.8%減の27億ドル、輸入は同20.0%減の35億6000万ドル。 また、韓国統一部の資料によると、昨年の南北貿易額は前年比15.7%増の27億1000万ドルと集計された。◇韓銀統計の信ぴょう性めぐり論争も 韓銀は1991年から毎年、北朝鮮の経済成長率の推計値を発表しているが、その確度をめぐっては論争が絶えない。 北朝鮮は成長率をはじめとする経済統計を対外的に公表しておらず、世界が北朝鮮経済について得られる資料は非常に限られている。韓銀は情報機関の国家情報院や大韓貿易投資振興公社(KOTRA)などから資料を得て分析しているが、中朝の国境地帯で行われる密貿易や北朝鮮で広がる市場経済の実態を正確に統計に反映するのは難しい。 昨年、北朝鮮経済がマイナス成長を記録したとは考えにくいと指摘する専門家も少なくない。慶南大極東問題研究所の林乙出(イム・ウルチュル)教授は「北朝鮮における市場などを通じたサービス産業の成長や建設業の高い付加価値などを考えると、経済は成長したとみなせる」と主張する。 これに対し韓銀は、分析の基礎となる資料が少ないものの「大枠では外れていないはずだ」としている。
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