電磁波を測定する韓国国防部と米軍関係者(米第36飛行団提供)=(聯合ニュース)
電磁波を測定する韓国国防部と米軍関係者(米第36飛行団提供)=(聯合ニュース)
【グアム聯合ニュース】米領グアムの米軍基地に配備された最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」が18日、韓国の国防部関係者と記者団に公開された。 韓米の軍当局はTHAADの韓国の配備先を選定する際、レーダー電磁波の人体への影響や発電機の騒音、環境被害などに対する懸念を解消するために、グアムのTHAAD公開について協議してきた。米軍は他国の民間人に公開した前例がないとして当初は難色を示していたが、配備先に決まった地元住民を中心に反発の声が強まっていることを受けて公開を決定。韓国軍が電磁波を測定することも許可した。 グアムではTHAADの周囲3キロ以内に民家が無く、レーダーも海に向いている。レーダーが1.5キロ先の集落など内陸を向くことになる星州郡とは立地条件が異なるものの、電磁波には直進性があるため、グアムでの測定値にも意味があるとされる。 韓国軍が電磁波を測定する際、米軍側の表情から緊張している様子が見て取れた。 韓国空軍の関係者がレーダーの稼働6分後から電磁波を測定した結果、最大値は0.0007ワット毎平方メートルとなり、韓国放送通信委員会が定めた電磁波の許容基準値である10ワット毎平方メートルの0.007%だった。平均値は0.0003ワット毎平方メートル。 米軍関係者と国防部関係者は測定値がエラーではないか何度も確認する様子を見せた。レーダーと1.6キロ離れた測定地の標高差はほぼ0で、両軍の関係者は標高約380メートルの星州の地形と比較すると、今回の測定は星州より不利な条件だったが、数値は低かったと説明した。 米軍当局はTHAADのレーダーが将兵と住民の健康や安全に影響がないことを強調するため、政府公式文書を国防部に提供した。また在韓米軍の高官や、国防政策担当者を集め、記者団に質問をする機会も提供した。 米軍当局はTHAADのレーダーが将兵と住民の健康や安全に影響がないことを強調するため、政府公式文書を国防部に提供した。また在韓米軍の高官や、国防政策担当者を集め、記者団に質問をする機会も提供した。 同文書は「レーダーは降下してくるミサイルを探知するために空中に向け、最低でも5度の角度をつけて発せられ、100メートルから3600メートルの範囲内の前方の地上にいる人に当たる可能性は無視してもいい水準」とした上で、星州では周辺地域よりもさら高い場所にレーダーを設置するため、危険要因はさらに軽減されると説明した。 国防部関係者は米側が同文書を提供したことに対し、「米政府の公式文書」とした上で「作戦機密に抵触しない範囲で、懸念を解消するために米側の協力を受けて公開することになった」と説明した。 韓国軍が直接、電磁波を測定する許可を得るまでには長い時間がかかった。最終的には韓民求(ハン・ミング)国防部長官がブルックス在韓米軍司令官(韓米連合司令官兼務)と電話会談を行い、客観的な測定のため、韓国軍が測定装置を搬入して測定することができるように要求し、米側も事態の深刻性を認めて許容した。
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