違法操業を行い拿捕された中国漁船=(聯合ニュース)
違法操業を行い拿捕された中国漁船=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の海洋水産部、外交部、法務部、国防部、行政自治部、国民安全処、企画財政部は11日、共同で中国漁船の違法操業根絶と黄海5島の漁業関係者支援のための対策案を発表した。 黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)周辺で違法操業を繰り返す中国漁船を取り締まるための警察組織を新設するほか、違法操業のため拘束した漁船の船長を取り調べ、中国当局に直接引き渡して両国で処罰を受けさせる計画だ。 また、違法操業を防止するため通常より最大で8倍大きい人工魚礁を80カ所に設置し、漁船がNLL周辺を自由に行き来できないようにする。 ほかに韓国漁業者の操業範囲や操業時間を試験的に拡大・延長。中国の違法漁船に対する取り締まりと処罰の強化に加え、水産資源の減少より困難な状況にある韓国の漁業関係者に対し操業条件を緩和する。 まず政府は黄海5島周辺地域で中国漁船の取り締まりを担当するタスクフォース(特別チーム)を構成。国民安全処傘下に置き、同地域に常駐させる計画だ。 ワタリガニが旬を迎える4~6月、9~11月には武器と機動性を備えた中型艦艇と防弾ボートを追加配備する計画で、警備艇を最大9隻に増やし、海洋警察特攻隊や特殊機動隊は2倍となる計約100人に増やす。 また両国の許可がない漁船については没収・廃船を義務化するため、排他的経済水域(EEZ)漁業法改正を推進し、韓国から許可を受けていない中国漁船に対する担保金を現行の最高2億ウォン(約1800万円)から3億ウォンに引き上げる。 担保金は違法操業で拿捕(だほ)した中国漁船を返還する前に徴収するもので、一種の罰金にあたる。 領海侵犯、無許可操業、公務執行妨害など違反事項が重大だと判断された場合、担保金を納付しても韓国で司法処理するだけにとどまらず、中国当局に直接引き渡すことで、中国側でも処罰を受けさせる方針だ。 政府はNLL水域の特殊性を考慮して11月までに人工魚礁80個を設置する。海洋水産部は「違法操業をして北側海域に逃げる場合、取り締まるのは現実的に難しい」とした上で、「人工魚礁を延坪島の北端とNLLの間に設置することで違法操業の防止に効果があるとみている」と説明した。 違法操業と水産資源の減少で苦しい状況にある韓国の漁業関係者のため、試験的に操業可能範囲の拡大や操業時間の延長などの対策も用意された。政府は試験運用を経て、漁師らの安全や軍の作戦などに支障がないと判断した場合、漁場拡張を推進する計画だ。 一方、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍への配備が決定したことで、中国との外交摩擦が懸念される中、中国漁船の違法操業の取り締まりで協力を得られるのか疑問の声が上がっていることについて、外交部関係者は「THAAD問題とは別個の懸案」とした上で、「中国も違法操業問題に対し、根絶する確固たる意思を持っており、責任を回避しないという立場だ」と話した。
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