金聖株会長=(聯合ニュース)
金聖株会長=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】ドイツ生まれ韓国育ちのファッションブランド「MCM」を有する韓国のソンジュグループが創立25周年を記念し、これまでの歩みなどを盛り込んだ書籍「ソンジュ物語(THE STORY OF SUNGJOO)」(原題)を出版した。 ソンジュグループの金聖株(キム・ソンジュ)会長(59)は韓国の財閥、大成グループ創業者の故金寿根(キム・スグン)氏の末娘。裕福に育ったが、安楽な人生よりもチャレンジする人生を生きるためファッション産業に身を投じた。2014年からは大韓赤十字社総裁も務めている。 金会長は米国留学中に、経済的、社会的発展とともに訪れる消費パターンの変化に注目し、韓国でも消費財中心の産業構造が定着すると予想した。 ソンジュグループは、韓国で高級ブランド市場が完全に形成されていなかった1990年代に海外の高級ブランドの輸入・販売を始めた。グッチ、イブ・サンローラン、ソニアリキエル、MCMの製品を韓国に紹介した。 節約が美徳とされていた時代だったが、急成長を続けていた韓国では高級ブランド市場も拡大し始めた。 1990年にグッチと韓国での独占販売権契約を結んだソンジュグループは、グッチが進出した国のうち韓国を売上高5位の市場に成長させた。 特にMCMの場合は独占販売にとどまらず、ドイツのMCM本社を説得して韓国で生産した製品を米国に輸出した。 しかし、1997年のアジア通貨危機のあおりでウォンが暴落し、各ブランドの本社に支払うロイヤルティーは2倍に跳ね上がり、消費者心理は凍りついた。 結局、グッチの独占販売権を手放さざるを得なくなり、イブ・サンローラン、ソニアリキエルとの契約も終了し、MCMだけが残った。 ソンジュグループは唯一残ったMCMを通じチャンスを模索した。MCM本社を5年以内に買収するという目標もこの時期に明確になった。 通貨危機から8年後、チャンスが訪れた。2005年4月、経営難に陥っていたMCM本社を買収した。アディダスのクリエイティブ・ディレクターだったミヒャエル・ミヒャルスキー氏を迎え入れ、ドイツの精密さ、イタリアの細工技術、アジアの哲学を取り入れた製品で米国、欧州、中国を攻略した。 高品質な革製品だけでなく、ノートパソコンも入る女性向けの大きなバッグやリュックサックなどを発売し、MCMは成長を続けた。 その後、米市場に劣らぬ巨大市場となった中国市場に目を付けたソンジュグループは現地に旗艦店をオープンし、中国人のファッション感覚に合った多様な製品で市場を先取りした。 ソンジュグループは2020年までに店舗を700店以上に増やし、売り上げも2兆ウォン(約1740億円)以上に伸ばすことを目標に掲げている。少数の富裕層をターゲットにしたブランドではなく、さまざまなライフスタイルとたゆまぬ変化をリードする新たな高級ブランドを目指している。
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