【東京聯合ニュース】東京の本屋街、神保町にある韓国書籍専門のブックカフェ「CHEKCCORI(チェッコリ)」で17日夕、韓国の女性作家、韓江(ハン・ガン)氏の短編「菜食主義者」の読書会が開かれた。この作品は英国で16日(現地時間)に文学賞の国際ブッカー賞を受賞した。韓国人で初めての受賞に、日本の読者も興奮気味に作品の魅力を口々に語った。 読書会に参加したのは14人。結果には関係なく、ブッカー賞受賞作の発表日に読書会を開くことにしていた。 50代の女性会社員は「初めて読んだ時は引きずりこまれるような怖さがあった。2回目に読んだ時はいくぶん気持ちを落ち着け、登場人物の気持ちを理解することができた」と述べ、「完璧な作品」と絶賛した。 別の読者も「とにかく怖かった」という。韓国のイ・チャンドン監督の映画になぞらえ、観客の立場で見ていたのが、ある瞬間、自分にカメラを向けられたような恐ろしさを感じたと語った。 ある男性読者は登場する男性の心理描写に感嘆の声をもらした。また、韓氏に会ったことがあるという読者は、少女のような雰囲気とはギャップのある作品の迫力に圧倒されている様子だった。 作品の普遍性に共感する読者が多い。「生と死をテーマにしているため、国籍に関係なく誰にも分かる」「韓国文学をよく知らなくても入り込める話」などの意見が挙がった。 日本で韓国の小説はまだ固定読者層が薄いが、「菜食主義者」の日本語版は英訳より早く、2011年に出版された。韓国関連書籍の出版社クオンが「新しい韓国文学シリーズ」の第1弾に選んだ。同社社長でCHEKCCORIも運営する金承福(キム・スンボク)氏は「小説の質、文章力、構成、登場人物のキャラクターなどが完璧だと思う。個人的にも好きな小説だ」としながら、「こうした小説に出会うのが難しいからこそ、日本の読者にも知ってもらいたい」と意気込みを伝えた。 今回の受賞発表を受け注文が入り始めており、増刷する予定だという。来春には韓氏の「少年が来る」(原題)の日本語版を出版する計画だ。mgk1202@yna.co.kr
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