【ソウル聯合ニュース】韓国で加湿器殺菌剤により多数の死傷者が出た問題で、ソウル中央地検の特別捜査チームは11日、業務上過失致死、同過失致傷などの疑いがあるとして英日用品大手レキット・ベンキーザーの韓国法人「オキシー・レキット・ベンキーザー」(現RBコリア)の申鉉宇(シン・ヒョンウ)元社長、元同社研究所所長、元同社研究員の3人に対する逮捕状を請求した。この問題でメーカー側関係者の逮捕状が請求されるのは初めて。 同社は2001年から加湿器の水に混ぜて使用する殺菌剤に有害な化学物質「PHMG」が含まれた製品を販売した。消費者が呼吸困難などを訴える事例が相次いだが、殺菌剤と肺の病気の因果関係が不明として、韓国政府が因果関係を確認し問題となった製品の回収措置を取った2011年半ばまで販売を続けた。約10年間に販売された製品の数は453万個に達する。 申元社長ら3人は、2010年10月に適切な検査をせずにPHMGが含まれた製品を開発・販売し、死傷者を多数出した疑いが持たれている。同製品を販売する際に「子どもにも安全」という虚偽・誇大広告をした疑いもある。 韓国政府が実施した調査で加湿器殺菌剤により肺の損傷などを起こしたと確認された221人中、177人が同社の製品を使用した。90人の死者のうち、同社製品の使用者は70人に上っている。 申元社長は先月26日と今月9日に行われた聴取で、「英国の本社が製品開発・販売全般で陣頭指揮をし、私は指示に従っただけ」と話し、関与を否定した。 しかし検察は同社関係者の証言や関連証拠などから、申元社長が製品開発・販売の最終責任者であり意思決定権者と判断。申元社長が海外の研究者から危険性を指摘された後もこれを無視し、製品の開発・販売を続けたとみている。 一方、類似の殺菌剤の製造・販売者に対しても同じ容疑の逮捕状が請求された。この製品の元製造・販売者は2009年から11年にかけて有害な科学物質が含まれた製品を製造・販売し、死傷者を出した疑いが持たれている。 同製品はインターネットや国内外の論文などで情報を集めた元製造・販売者が自ら水と有害物質を混ぜて作ったものであることが分かった。同製品は死者14人を含む27人の被害者を出した。 13日に裁判所の令状審査が行われ、申元社長らが逮捕されるかどうか決まる。 yugiri@yna.co.kr
Copyright 2016(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0