【ソウル聯合ニュース】ソウル中央地検は1日、麻薬類管理に関する法律に違反した罪で北朝鮮脱出住民(脱北者)と中国の朝鮮族の計13人を起訴し、計10人を在宅起訴したと発表した。北朝鮮で製造されたとみられる覚せい剤を中朝国境地帯で入手して韓国内に持ち込み、販売・使用したとされる。検察は覚せい剤810.7グラムを押収した。覚せい剤を1回に0.03グラム使用した場合、約2万7000回使用できる量だという。 地検が今回立件したのは、2014年2月から最近までの密輸や販売などの行為。50代の脱北者の男は昨年9月から今年2月までの間に覚せい剤140グラムを韓国に持ち込み、このうち120グラムを韓国に定住する脱北者に販売したとして起訴された。地検は、北朝鮮との国境に近い中国東部で北朝鮮住民と接触し、覚せい剤を入手したとみている。 別の脱北者の男は北朝鮮に近い中国・丹東で朝鮮族の男から覚せい剤を購入し韓国の脱北者に売ったとされる。2人は共に起訴された。 検察は被告たちの入手ルートなどから、覚せい剤が北朝鮮で製造された可能性が高いと見ている。実際に、北朝鮮で製造された覚せい剤を買うため中国に渡ったことがあるという話を聞いたと証言をしている被告もいるという。 また複数の脱北者は、北朝鮮東部で製造された覚せい剤が丹東に運ばれて売買されているほか、密売人を介して中国に入っていると供述している。 ◇効果抜群の北朝鮮覚せい剤、脱北者をとりこに 北朝鮮で製造された覚せい剤は効き目が強く、持続力にも長いことで知られる。このため、北朝鮮のものと偽った覚せい剤が実際の価格の2倍以上で出回ることもあるという。 北朝鮮では体の疲れを麻痺させるため、覚せい剤が薬のように使われているという。お祝い金などの代わりにやりとりが行われるなど、日常生活に根づいているとされる。 今回、在宅起訴された脱北者の30代の女は覚せい剤を使用した1週間後、何事もなかったように韓国の芸能テレビ番組に出演していたという。 検察関係者は「脱北者の一部は覚せい剤の密売や使用は重罪だということが分かっていない。薬物中毒の危険性を広報する必要がある」と話す。 sarangni@yna.co.kr
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