【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の最高裁は29日、スパイ容疑で拘束していた韓国系米国人男性のキム・ドンチョル氏に10年の労働教化刑(懲役刑に相当)を言い渡した。朝鮮中央通信が報じた。 通信は「共和国の最高尊厳と政治体制をおとしめ、転覆を策動し、南朝鮮(韓国)の傀儡(かいらい)たちに軍事秘密を提供する国家転覆陰謀行為とスパイ行為を強行した犯罪事実を全て認めた」と伝えた。 男性は今年3月、外国メディアなどを対象にした平壌での記者会見で、自らの罪を認め、寛大な措置を求めていた。当時、男性は自分のことを1953年にソウルで生まれたキム・ドンチョルとし、韓国人らと共謀して北朝鮮の軍事機密を盗もうとしたと謝罪した。 男性の拘束は北朝鮮が4回目の核実験を行った後の1月11日、米CNNテレビの報道で明らかになった。男性はCNNとのインタビューで、「2013年4月から軍事機密やスキャンダルと関連した場面を写真に撮る任務を行っていた」と話した。昨年10月、北朝鮮北東部の羅先市で朝鮮人民軍の元軍人から核関連資料などが保存されているUSBメモリーとカメラを受け取ろうとして拘束されたと説明していた。 男性は中国の吉林省延吉市から羅先市に通勤し、貿易やホテル業を展開する会社の社長を務めていた。 北朝鮮は先月16日には米国人大学生オットー・ワームビア氏に対し、ホテルにあった政治的スローガンが書かれた展示物を持ち出そうとした「敵対行為」があったとして15年の労働教化刑を言い渡した。 制裁が強まる中、北朝鮮は局面転換を図るために拘束していた外国人をメディアに公開することで、国際社会に圧力をかけたいとの思惑があるようだ。 kimchiboxs@yna.co.kr
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