【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は4日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が「新型大口径放射砲」試験射撃を視察したと報じた。 同通信は試験射撃の具体的な日時と場所を明らかにしていないが、韓国軍当局は北朝鮮が3日に東海岸の江原道・元山一帯から発射した短距離飛翔体を指しているとみている。 新型大口径ロケット弾は、北朝鮮が開発した300ミリロケット弾で、昨年10月10日の軍事パレードで公開され、実戦配備が近いことを示唆していた。 同通信は300ミリロケット弾が「南朝鮮(韓国)作戦地帯内の主要攻撃対象を射程に収める精密誘導体系を備えた先端長距離大口径放射砲体系だ」と説明した。 韓国軍は300ミリロケット弾の射程は最大200キロとみている。軍事境界線(MDL)付近で発射した場合、京畿道・平沢の在韓米軍基地を含む首都圏全域と全羅北道・群山の在韓米軍基地、陸・海・空軍本部がある忠清南道・鶏竜台まで射程に入る。 北朝鮮の従来のロケット弾は射程が最大90キロだった。 300ミリロケット弾が実戦配備されれば火力が急激に強化されることになる。 同通信は金第1書記が300ミリロケット弾の開発を指示し過去3年間で試験射撃を13回視察したと伝え、金第1書記がこの兵器に大きな関心を寄せていることをうかがわせた。 金第1書記は今回の試験射撃で300ミリロケット弾を1日も早く実戦配備するよう指示した。 北朝鮮の今回の300ミリロケット弾試験射撃を受け、韓米両国が推進中の米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備にも弾みがつくとみられる。 300ミリロケット弾はTHAADと直接関係のある兵器ではないが、今回の試験射撃で北朝鮮の兵器の性能が向上していることがあらためて確認されたためだ。 また、同通信は「最先端武装装備を開発し続け完成させる」として、ミサイルをはじめとする兵器体系開発を加速させることを示唆した。  sjp@yna.co.kr
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