【ソウル聯合ニュース】4回目の核実験と事実上の長距離弾道ミサイルの発射を強行した北朝鮮に対する新たな国連安全保障理事会の制裁決議は、核・ミサイル開発につながる金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の「統治資金」の確保にも大きなダメージを与えるとみられる。 特に北朝鮮産鉱物資源の取引禁止措置は、鉱物が北朝鮮の輸出総額の40%を占めるだけに、金正恩政権への資金流入の阻止に効果をあげそうだ。 北朝鮮は現在、大きく地下資源・商品の取引、労働力の輸出、観光収入のほか、ミサイルや弾薬など通常兵器の販売といった違法行為により資金を蓄えているとされる。 このうち、労働者を海外に派遣する労働力の輸出は最近規模が拡大しているものの、収入は年間2億ドル(約228億円)程度であり、外貨獲得の主要手段とみるのは難しい。 金正恩政権が推進する観光産業も制裁などの余波で規模は小さく、年間収入は最大で4300万ドルとの分析が出ている。 中東や東南アジアに向けての通常兵器の販売も国際社会の監視の目が厳しく、大きな財源とみるのは難しい。 このため北朝鮮が外貨獲得のために最も重要視するのは地下資源の輸出にならざるをえない。 韓国統計庁の発表によると、北朝鮮の2014年の輸出総額(31億ドル)のうち、鉱物の輸出額は約12億ドルで、大きな割合を占めている。鉱業が北朝鮮経済に占める割合は13%程度とされており、鉱物の輸出ができなくなれば、北朝鮮経済の成長率が4.3ポイント下落するとの分析も出ている。 韓国・IBK経済研究所のチョ・ボンヒョン首席研究委員は、「北は軍部が地下資源の事業権を掌握し、鉱物輸出額の相当部分を統治資金として納めている」とした上で、「鉱物輸出が減れば金正恩(第1書記)の資金源への打撃も小さくないだろう」と指摘する。 また一部では安保理制裁により金正恩政権の資金源が枯渇すれば、軍部も萎縮するとの見方が出ている。 チョ研究委員は「初めは軍部が制裁に強く反発する可能性があるが、6カ月以上制裁が続けば、活動が萎縮する」とした上で、「次第に党の権限が強くなり、軍の強硬派の声が弱まる可能性もある」と説明した。 yugiri@yna.co.kr
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