【ソウル聯合ニュース】北朝鮮人権法が2日、紆余(うよ)曲折の末に韓国の国会で成立した。野党はこの日、テロ防止法案の成立を阻止するために行っていた長時間演説をやめ、午後の本会議で無争点法案の採決に応じた。 2005年8月、第17代国会で保守系ハンナラ党(現在の与党セヌリ党の前身)議員が類似の法案を初めて提出して以降、約10年半を経て成立することになる。 03年に国連人権委員会が北朝鮮の人権問題を糾弾する決議を採択したことを受け、米国は翌年、日本は06年にそれぞれ北朝鮮の人権問題への対応を定めた法律を制定した。 だが韓国では、最初に提出された北朝鮮人権法案は十分議論さえされず、国会の会期終了と同時に廃案となった。次の第18代国会でも法案が提出されたが、南北関係の悪化を懸念した反対の声を乗り越えられなかった。 現在の第19代国会では、法案の争点をめぐり与野党が折り合っていたにもかかわらず、今年に入り本会議での採決が2回白紙化した。 北朝鮮人権法は北朝鮮の人権実態を調査し、これを基に政策開発を行う「北朝鮮人権財団」の設立、北朝鮮住民の人権実態などに関する情報を収集・記録する「北朝鮮人権記録保存所」の設置などが柱。 また、統一部は傘下に「北朝鮮人権増進諮問委員会」を置き、関連機関と協議しながら北朝鮮の人権改善に向けた基本計画と実践計画を樹立する。 北朝鮮人権記録保存所をめぐっては、セヌリ党は法務部の下に置くことを主張していたが、最大野党・共に民主党は統一部傘下とすることを要求。議論の末、統一部に置いて資料を3カ月ごとに法務部に移管することで合意した。 法条項の文言をめぐっても対立した。第2条2項について、セヌリ党は「国家は北の人権向上努力とともに、南北関係の発展と朝鮮半島における平和定着に向けても努力しなければならない」とするよう主張した。一方、共に民主党は「国家は北の人権向上努力を南北関係の発展と朝鮮半島における平和定着努力と併せて推進しなければならない」とするよう求めた。セヌリ党は「南北関係」よりも「人権」に比重を置き、共に民主党は二つを同列に扱うよう求めたのだ。 最終的に「北の人権向上努力とともに、南北関係の発展、朝鮮半島における平和定着のための努力をしなければならない」と決まり、立法に向けた障害は解消された。 stomo@yna.co.kr
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