イ・ジュンソク被告=(聯合ニュース)
イ・ジュンソク被告=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国旅客船セウォル号の沈没事故で、乗客を救助せずに船を脱出したとして殺人罪などに問われた船長のイ・ジュンソク被告(70)ら乗組員15人の上告審判決公判が12日、大法院(最高裁)であり、裁判官は全員一致でイ被告に殺人罪を適用した二審判決を支持。被告の上告を退け、無期懲役の控訴審判決が確定することになった。
 昨年4月16日に韓国南西部の珍島沖で起きた事故では修学旅行中の高校生ら295人が死亡し、9人が依然行方不明のままだ。
 大法院はイ被告に対し、「適切な時期の脱出命令だけでも相当数の被害者の脱出や生存が可能だった」と指摘。「だが、船内で待機命令を出したまま、自分は警備艇に乗って脱出し、結局、乗客らが自力で脱出することが不可能となる結果を招いた」とした。その上で、乗客らが溺死するしかないことを十分に予見したにもかかわらず先に脱出したのは、船長の役割を意識的かつ全面的に放棄したことになるとした上で、「イ氏の不作為は作為による殺人の実行行為と同等の法的価値がある」と「未必の故意」を認めた。大規模な人命事故に対し、「不作為による殺人罪」を適用した初の大法院の判断となる。
 1等航海士や2等航海士、機関長らの乗組員14人に対しても上告を棄却し、懲役1年6か月~12年が確定することになる。
 裁判は乗客を助けず、脱出した船長らに殺人罪を適用できるかどうかが争点となった。検察は船長や1・2等航海士、機関長を殺人罪で起訴。昨年11月の一審ではイ船長の殺人罪を認めず、遺棄致死罪などで懲役36年を言い渡した。今年4月の二審は殺人罪を認めて無期懲役とした。

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