鳩山元首相、「教科書国定化に否定的」ソウル大の講演で安倍談話の批判も

鳩山由紀夫 元首相は、韓国の歴史教科書国定化について「正直言って私も驚いている」とし、「韓国についてあれこれ申し上げるつもりはないが、国家が教科書に関与することについては否定的だ」と述べた。

　鳩山元首相は5日午後、ソウル市内にあるソウル大学で開かれた「光復70周年、日韓国交正常化50年に日韓関係を再び見つめなおす」をテーマにおこなわれた講演で、このようにあきらかにした。

　鳩山元首相は続けて「教科書を作る学者が事実に基づいた教科書を作ればいいことだ」とし、「韓国が今しようとしていること（教科書国定化作業）は、むしろ時代に逆行することではないのか」と述べた。

　この日、鳩山元首相は戦後70周年記念の安倍談話を批判し、安倍首相が集団的自衛権の行使を認める安保法制を「積極的平和主義」だと言いながら進めていることについては、「これは明白な憲法違反だ」と意見を明らかにした。

　また「真の愛国心は、過去の歴史的事実を直視して、過ちを謝罪する勇気をもつこと」とし、「日本の歴史を見つめ、侵略と植民地支配によって苦痛を受けた方々や国家に対して真の謝罪と贖罪ができれば、東アジアが共同体に向かって一歩を大きく踏み出せるだろう」と述べた。