【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は27日、国会で行った施政方針演説で来年度予算案について説明し、国会の協力を求めた。また、中学・高校の韓国史教科書で検定制度をやめ、政府がつくる国定教科書への一本化を進めていることについて、「歴史教育を正常化することは当然の課題で、われわれの世代の使命」と述べ、国定化に対する強い意志を示した。 朴大統領の意志表明は、複数の世論調査で歴史教科書の国定化に対し、賛成より反対が多いほか、歴史学会や教育現場で国定教科書の執筆を拒否する動きが相次いでいることについて、反転攻勢を図る狙いがあるとみられる。 朴大統領は「一部から歴史の歪曲(わいきょく)や美化があると懸念されているが、そういう教科書がつくられることについては決して座視しない」と強調。歴史学会や野党が主張する日本による植民地時代や朴大統領の父、朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領による軍事独裁を美化しようとしているとの指摘を強く否定した。 一方、少数野党・正義党は国会前で「国定化撤回」などと書かれたプラカードを持って抗議し、演説をボイコットした。最大野党・新政治民主連合は「国定教科書反対」などと書かれた印刷物をパソコンのモニターの裏側に付着するなどして抗議。国会議長や与党が印刷物を取り外すよう求めたが同党は受け入れず、演説は予定より約15分遅れて行われた。 朴大統領は演説で、労働・公共・金融・教育分野の4大構造改革法案を含む経済活性化に向けた法案の早期成立や、中国、ベトナムとの自由貿易協定(FTA)の早期批准などを求めた。 来年度の国防予算案に関しては、「確固たる原則を持ち、国防を強固に維持してこそ正常な対話と協力のドアが開かれる」として、「対北抑止力戦力を中心に国防力を大きく強化する」との方針を明らかにした。 朴大統領の国会での施政方針演説は就任から3年連続で、現職大統領が3年連続で演説を行うのは初めて。 kimchiboxs@yna.co.kr
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