【ソウル聯合ニュース】韓国の政府・与党が中学・高校の韓国史教科書で検定制度をやめ、政府がつくる国定教科書への一本化を進めていることについて、海外の大学で韓国史などを研究する著名教授ら154人が25日、国定化に懸念を示す声明を出した。 声明は米シカゴ大のブルース・カミングス教授や米エール大のジョン・トリート教授、カナダ・ブリティッシュコロンビア大のロス・キング教授や大学講師らが出した。 教授らは声明で、民主主義国家の歴史教科書は多様な意見と分析を尊重し、自由な討論と歴史専門家の研究を基につくられるものだと主張。韓国政府の国定化計画について「最近何年間にわたる自由言論抑圧政策の延長線上にある」と指摘した。 また声明は、国定教科書計画が民主国家として認められている韓国の国際的な名声に悪影響を与え、日本政府の歴史修正主義を取り巻く地域内の対立において韓国の道徳的基盤を弱めると危機感を示した。 歴史教科書をめぐっては、政府・与党が「中・高校の教科書には左派的な反韓国史観が書かれている」と国定化を推進。今月12日に政府が2017年の新入生が使用する教科書からの国定化を発表し、朴槿恵(パク・クネ)大統領も国定教科書の必要性を重ねて強調している。 これに対し、最大野党・新政治民主連合などが強く反発しているほか、ソウル大など主要大学の教授や歴史学者らが相次いで国定教科書の執筆を拒否すると宣言するなど波紋が広がっている。 韓国では朴大統領の父、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領在任中の1974年から国定歴史教科書が使われてきたが、金大中(キム・デジュン)政権の2002年に検・認定制度が一部導入されたことを機に複数の出版社が教科書を作成するようになった。11年には完全に検定制に移行した。 sarangni@yna.co.kr
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