【ソウル聯合ニュース】韓国情報機関の国家情報院(国情院)が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に国情院長を務めた金万福(キム・マンボク)氏の回顧録の販売差し止めを求める仮処分を申し立てた問題で、金氏が16日、販売の中断に応じた。 ソウル中央地裁で行われた第2回審尋で、金氏は「19日正午から許可を得られるまで書籍の販売を中断し、回収に積極的に協力する」と述べた。仮処分が申し立てられた後に法に基づき書籍の出版許可を申請したとし、不許可の場合は販売を強行しない考えを示した。 地裁は審尋を終結し、和解勧告決定を出す方針だ。双方が決定文を郵送で受け取ってから2週間以内に異議を申し立てなければ、決定は確定する。 回顧録は金氏が李在禎(イ・ジェジョン)元統一部長官、白鍾天(ペク・ジョンチョン)元青瓦台(大統領府)統一外交安保政策室長(閣僚級)と共著したもので、韓国で今月上旬に発売された。北朝鮮で対韓国関係を統括する金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党書記(統一戦線部長)が2007年10月の第2回南北首脳会談の直前に韓国大統領府を極秘訪問していたことや、同首脳会談での盧大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記のやりとりも記されている。 金氏はまた、2日にソウル市内で開かれたシンポジウムで「南北首脳間のホットライン(直通電話)があった。南側のホットラインは国情院にあり、24時間待機しながら、そのラインで伝えられたものは金総書記の意思ということですぐに金大中(キム・デジュン)大統領、盧大統領に報告された」と明かした。 これを受け、国情院は回顧録の販売差し止めを求める仮処分を申し立てるとともに、国情院職員法に違反した疑いで金氏を刑事告発した。 同法は「国家情報院の職務に関する事項を出版したり、その他の方法で公表したりするときは事前に院長の許可を得なければならない」と規定している。 stomo@yna.co.kr
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