韓国政府与党が、歴史教科書の発行体制を現行の検定から国定に変更する方向で進めている。(提供:news1)
韓国政府与党が、歴史教科書の発行体制を現行の検定から国定に変更する方向で進めている。(提供:news1)
韓国政府与党が、歴史教科書の発行体制を現行の検定から国定に変更する方向で進めている。

 教育部は8日、国会教育文化体育観光委員会の総合監査後である来週初め頃に歴史教科書の国定化への転換について最終発表する予定である。

 公式的には「検定体制の強化や国定化への転換の中で選択する」としており、検定体制の強化という選択肢も残されている。

 しかし今回の歴史教科書国定化の推進には、朴槿恵(パク・クネ)大統領の意中が反映されたものだと伝えられており、国定化の方へ重きが置かれていると見られている。

 ファン副総理兼教育部長官は、この日の国会教育文化体育観光委員会の総合監査に出席し、「歴史教科書の国定化について明確な立場を明らかにしろ」という野党議員からの執拗な要求にも明確な答弁を避けた。

 ファン副総理は「教育課程を確定・発表し、その次に教科書に対する区分告示をする」とし、「事前に教育部長官が見通しを持たせるような話をすれば、手続き上の問題が起きる可能性があるため、詳細については話せないことを理解してほしい」と述べた。

 この日与党は、党内の歴史教科書改善特別委員会を創設させるなど、大統領府に歩調を合わせる動きを見せた。政府与党は今週末、政府与党間協議を経て、歴史教科書の国定化方針を最終調整すると伝えられている。

 このように、政府与党の歴史教科書の国定化方針が可視化され、政界や市民団体、学界などの反応も二つに分かれている。2013年に教学社の教科書によって保守と進歩が衝突したように、来年4月の総選挙を前に、“左右”の理念論争の火種になる要素が多い。

 与党をはじめとした保守陣営では、民間出版社の検定教科書で左派よりの叙述が多いので、この機会に単一の教科書を推し進めなければという考えだ。

 セヌリ党歴史教科書改善特別委員会の「検定高校歴史教科書の執筆陣現況分析」によると、歴史教科書検定制が導入された後、出版された20種の高校歴史教科書の執筆陣128人のうち、64.8%である83人が進歩・左派傾向に分類されているという。

 また教育部は、歴史教科書の執筆陣が修正を拒否している内容に、偏りが深刻だとして、代表的な事例6つを挙げたりもした。

 教育部が例に挙げたのは、「韓国の単独政府樹立発言を南北分断の原因だと叙述してもいいものなのか?」、「北朝鮮のチュチェ思想をそのまま引用して教えてもいいのか?」などが含まれている。

 しかし野党をはじめとした進歩陣営では、歴史教科書を国定化すれば、親日・独裁を美化するという理論で反論している。

 維新時代である1974年から適用された歴史教科書の国定化が独裁を美化し、政権の広報手段に転落した経験があるため、今後もそのようなことが繰り返される可能性があるというのだ。

 全国教職員労働組合は「国家主導の単一教科書は、特定理念を一方的に注入するための道具になる危険性が大きいため、避けなければならないというのが、国際社会の歴史教育指針だ」と主張している。

 一方、教育部が来週初め頃に歴史教科書の国定化について発表すれば、その後は「中等学校教科用図書の国・検・認定区分案」を行政予する手続きを踏むことになる。

 行政手続法によると、行政予告期間は特別な事情がなければ20日以上であるため、遅くても11月初めには「中等学校教科用図書の国・検・認定区分案」が確定・告示されると見られる。


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