【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が来月10日の朝鮮労働党創建70周年記念日を控え、「衛星」打ち上げとして実施を示唆した事実上の長距離弾道ミサイル発射に向け、着々と手順を踏んでいるようだ。 特に、発射による国際社会の反発と制裁を懸念してか、今年平壌に新設した国家宇宙開発局「衛星管制総合指揮所」の外部を海外メディアに公開し、発射は軍事目的でないことをアピールしている。 北朝鮮は14日、国家宇宙開発局長を介してミサイル発射を示唆したのに続き、23日には海外メディアのうち初めて米CNNテレビの取材を許可し、発射が差し迫っていることを露骨に示した。 衛星管制総合指揮所の関係者はCNNの取材に対し、「衛星を宇宙に送る統制システムを完成させた」と述べ、「近く打ち上げられる衛星は地球観測用だ」と強調した。 また「われわれが何のために米国を含む他国に核爆弾を落とすというのか」と反問し、国際社会の反発を鎮めようと必死な様子も見せた。 北朝鮮は2012年4月にも、平和的な衛星打ち上げをアピールするため、打ち上げに先立ちAP通信、CNNなど海外メディアの記者を招き衛星運搬ロケット「銀河3号」(事実上の長距離弾道ミサイル)と人工衛星「光明星3号」を公開した。 北朝鮮の指導部にとって、国際社会が反発するとしても発射は党創建70周年を華々しく祝うための最も重要な政治イベントと言える。そのため、北朝鮮は記念日を前にメディアなどを通じて発射計画を具体的に公表し、発射に向けた手順を進めていくものとみられる。 国際民間航空機関(ICAO)や国際海事機関(IMO)に発射予定期間と落下予想地点などを通知するほか、韓国や中国、日本などの周辺国にも飛行ルートなどを伝えると予想される。 ソウル大統一平和研究院の張容碩(チャン・ヨンソク)上級研究員は「北は党創建記念日を前に発射をほのめかし、雰囲気作りを着々と進めている。技術的な問題がなければ、来月の記念日を目前に発射される可能性が高い」と指摘した。ただ、準備が完璧に整わなければ記念日以降に先送りされることもあり得るとした。 一方、韓国政府筋は24日、「(北朝鮮北西部の)東倉里のミサイル発射場で、長距離ミサイルの発射を実際に準備している様子や、発射が差し迫っているという兆候はまだ見られない」と指摘。人や装備の動きもこれまでに比べ特に増えていないと説明した。 政府当局は、北朝鮮が党創建記念日に合わせてミサイルを発射するとすれば、2012年に打ち上げた銀河3号のエンジンを改良した、これまでとは異なる大きさのミサイルになるとみている。 北朝鮮は同年4月、光明星3号1号機を搭載した銀河3号を打ち上げたが軌道投入に失敗し、同12月に再び光明星3号2号機を打ち上げ、軌道に乗せることに成功した。 stomo@yna.co.kr
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