【東京聯合ニュース】東京で韓国関連書籍の出版社クオンを運営する金承福(キム・スンボク)氏が、韓国人に広く親しまれる大河小説の一つ、朴景利(パク・キョンリ)の「土地」全20巻の日本語版出版を目指している。 「土地」5部作のうち1部が1980年代に日本語版で出版され、近年には学生向けのダイジェスト版が出ているが、完訳版はまだない。 金氏は来年中に1~2巻、7年かけ全20巻を出版する計画だ。費用は約1億円と見積もる。作者(故人)の娘から日本語版出版に対する許可を得て、版権を持つ韓国の出版社と契約の協議を進めている。7月には日本人の翻訳家らが翻訳作業に入った。 事業としてみると無謀な挑戦ともいえそうだが、金氏の考えはシンプルだ。22日に東京で聯合ニュースの取材に応じた金氏は、「作品そのものがいいじゃないですか。スケールが大きく、文体は繊細で…。世界の文学に肩を並べられる作品であり、韓国人が誇るべき小説だと思う」と答えた。 金氏自らも韓国人作家の作品を日本語に翻訳しクオンから出版する一方で、韓国の作品を日本の大手出版社に紹介している。クオンの代表作には、申庚林(シン・ギョンニム)や殷熙耕(ウン・ヒギョン)、韓江(ハン・ガン)ら韓国人作家の作品を紹介した「新しい韓国文学シリーズ」がある。 また、金氏は7月に本の街、東京の神保町にブックカフェ「CHEKCCORI(チェッコリ)」をオープンした。韓日の作家によるトークイベントや両国出版関係者の交流の場にもなっている。 ただ、金氏はこうした活動が特に韓日関係に結びつけられることには負担を感じている。「好きでやっていることで、それを喜んでくれる日本の人たちがいるからだ」と話した。 mgk1202@yna.co.kr
Copyright 2015(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0