韓国に送還されたパターソン被告=23日、仁川(聯合ニュース)
韓国に送還されたパターソン被告=23日、仁川(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】1997年にソウル・梨泰院のハンバーガーショップで起きた大学生殺人事件の真犯人とされる米国人、アーサー・パターソン被告(36)が23日、逃亡から約16年を経て米国から韓国に送還された。長く謎に包まれていた事件の真相が明らかになるか注目が集まる。 同事件は97年4月、繁華街・梨泰院のハンバーガーショップのトイレで男子大学生(当時22歳)が凶器で刺され、殺害されたもの。首や胸など9カ所が刺されるなど、猟奇的な殺人事件として社会に衝撃を与えた。当時、犯行現場にはパターソン被告と被告の友人(36)がいた。2人とも事件当時は18歳で未成年だった。 検察はパターソン被告の友人による単独犯行と結論付けて殺人罪で起訴。パターソン被告については証拠隠滅および銃刀法違反の罪のみ適用し起訴した。 だが、98年9月の裁判で同被告の友人に無罪が言い渡され、事件は未解決のままになっていた。 検察はパターソン被告を真犯人と断定し捜査を再開したが、同被告は99年8月に検察が出国禁止措置を延長しなかった隙に米国に逃亡した。 「犯人なき殺人」となった同事件は2009年に映画化され、話題を呼んだ。 真犯人への処罰を求める世論に動かされた法務部は同年に犯罪人引き渡し条約に基づき、米当局に身柄の引き渡しを求めた。 これを受け、米捜査当局は11年5月にパターソン被告を逮捕した。 韓国検察は同年12月、パターソン被告をあらためて殺人罪で起訴。時効のわずか4カ月前のことだった。 12年10月、米裁判所が犯罪人引き渡しを許可すると、パターソン被告は人身保護請願を申し立てるなど意図的に時間を稼いだが送還が決まった。 この日早朝に航空機で仁川空港に到着したパターソン被告は、報道陣に殺人罪を認めるかと問われると「認めない」と答え、「自分がここにいるという事実が衝撃だ」などと述べた。 同被告はソウル拘置所に収監され、近く裁判にかけられる。 sjp@yna.co.kr
Copyright 2015(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0