釜山港に到着した遺骨=18日、釜山(聯合ニュース)
釜山港に到着した遺骨=18日、釜山(聯合ニュース)
【釜山聯合ニュース】日本による植民地時代に北海道に連行され厳しい労働を強いられて亡くなった朝鮮人115人の遺骨が18日午前、韓国南東部の釜山港に到着した。光復(日本による植民地支配からの解放)から70年にして故国の地に戻った。 山口県・下関発のフェリーで釜山に渡った。釜山港旅客ターミナルの入国ゲートでは遺骨の帰郷事業を進めてきた「強制労働犠牲者追慕および遺骨帰郷推進委員会」の関係者や市民が出迎えた。 同委員会の日本側代表を務める特定非営利活動法人(NPO法人)東アジア市民ネットワークの殿平善彦代表は「犠牲になった方々が帰郷するのに70年かかった。本当に申し訳なく思う」と話した。 また、殿平代表は「日本では戦争をできるようにする安全保障関連法が参議院特別委員会で強行採決され大きく混乱している」としながら、「今回、遺骨が韓国に戻ったことを機に両国が再び戦争のない和解の未来を歩むことを望む」と強調した。 両国の民間専門家や宗教関係者、学生らは1997年から北海道各地に散在する朝鮮人の遺骨の収集に尽力してきた。活動が実を結び、遺骨は今月11日に北海道を出発。東京、京都、大阪、広島を経由して下関まで7日間かけて移動した。このルートは植民地時代に朝鮮人が強制的に北海道に連れて行かれた道を逆にたどるもの。 おじのキム・イルジュンさん(1925年生まれ)の遺骨を受け取ったキム・ギョンスさん(65)は遺骨を持ってきた人たちに朝鮮半島の民謡「アリラン」の合唱を呼びかけ、両国のメンバーで歌い上げた。 釜山に到着した遺骨は、同市中区のスミル公園に移される。関係者らはこれまでの労苦をねぎらう鎮魂祭を行う。 同公園は朝鮮人が日本に連行された当時、釜山と下関をつなぐ連絡船が出発した場所で、犠牲者が最後に見た故郷だ。 今後、遺骨はソウルに運ばれ、聖堂に一時的に安置される。 19日午後7時にはソウル市庁前の広場でソウル市長ら約1000人が出席する葬儀が執り行われる予定だ。 そして、20日に京畿道坡州市のソウル市立墓地納骨堂におさめられ、70年ぶりに祖国で永眠する。 sjp@yna.co.kr
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