【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮は7日から8日まで赤十字実務者協議を行い、朝鮮戦争などで生き別れになった南北離散家族の再会行事を来月20日から26日まで北朝鮮の金剛山で実施することで合意した。先月25日の南北合意に基づき離散家族の再会が実現することになる。 これを受け、当局者会談の開催や民間交流の活性化など、離散家族再会以外の合意事項の履行にも弾みがつくと予想される。 ただ、韓国側が提案した離散家族の全面的な生死確認や再会行事の定例化など、問題を根本的に解決するための方策について北朝鮮側は消極的な姿勢を見せた。 また、再開行事の実施時期が来月下旬になったことを受け、北朝鮮が朝鮮労働党創建70周年(10月10日)前後に長距離弾道ミサイルを発射する動きを見せれば再会行事の開催が危ぶまれる可能性もある。 ◇約24時間に及ぶ長時間交渉の末、合意 南北赤十字実務者協議は7日午前10時50分に軍事境界線がある板門店の韓国側施設「平和の家」で始まり、23時間20分後の8日午前10時10分に合意に達した。 双方は再会行事を金剛山の面会用施設で、南北それぞれ100人規模で行うことで一致したものの、開催時期をめぐり溝を埋められずにいたとされる。 韓国側は朝鮮労働党創建70周年前後に北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射することを懸念し来月初めに再会行事を行うよう主張した。 しかし、北朝鮮側は創建行事準備などを理由に来月10日以降の開催を求めたとされる。 そのため、韓国側が北朝鮮側の主張を受け入れる形で決着した。 協議で争点となったのは韓国側が提案した、▼離散家族の生死に関する全面的な確認▼離散家族の手紙のやり取り▼離散家族の故郷訪問▼再会行事の定例化――などの問題を解決するための方策について合意が得られるかどうかだった。 北朝鮮側は実務者協議では再会行事のみ議論し、そのほかについては赤十字本会談や南北当局者会談で協議すべきだという姿勢に終始した。 これに対し韓国側は、離散家族問題解決策を合意書に明示することを求めたとされる。 結局双方は、早い時期に赤十字本会談を開き離散家族問題の根本的な解決策を議論することで一致した。 ◇当局者会談開催に弾み、金剛山観光再開協議の可能性も 先月の南北高官協議で「ソウルまたは平壌で早い時期に開催」することで合意した当局者会談にも弾みがつくとみられる。 当局者会談で議論される懸案としては、離散家族問題の解決策や金剛山観光再開問題などが挙げられる。 また、▼鉄道路線・京元線(ソウル―北朝鮮南東部・元山)の復旧▼非武装地帯(DMZ)への世界生体平和公園造成▼2010年3月に発生した海軍哨戒艦「天安」撃沈事件に対する北朝鮮の遺憾表明および同年5月から実施している対北朝鮮制裁措置(5・24措置)の解除▼軍事的信頼構築問題――などが議題に挙がる可能性がある。 当局者会談には、韓国側の統一部長官と北朝鮮側の統一戦線部長が出席する可能性が提起されている。 ただ、先月の南北高官協議では、韓国側の青瓦台(大統領府)国家安保室長と統一部長官、北朝鮮側の軍総政治局長と統一戦線部長が合意を導き出したことから2プラス2会談となることも考えられる。 ◇北朝鮮の長距離ミサイル発射有無が焦点 しかし、南北関係の不安要素が完全に排除されたとみるには早いとする指摘も聞かれる。 最も注目されるのは10月10日の朝鮮労働党創建70周年に合わせて北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射するかどうかだ。 北朝鮮はこのほど、平安北道・東倉里のミサイル発射場内部の増改築工事を終えたとされ、創建記念日に合わせミサイルを発射する可能性が指摘されている。 現在のところ、北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射を準備する具体的な動向は捉えられていないが、通常発射の3週間前から準備する様子が捉えられていることから、今月中旬もしくは下旬からの東倉里のミサイル発射台の様子に関心が集まる。 北朝鮮がミサイル発射の動きを見せれば離散家族再会行事はもちろん、南北関係の懸案を解決するための当局者会談も順調に開催にこぎつけるのは難しくなる。 実際にミサイルが発射されると、国連安全保障理事会で対北朝鮮制裁が議論され朝鮮半島情勢に再び暗雲が漂うと予想される。 sjp@yna.co.kr
Copyright 2015(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0