【上海聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が4日午後に中国・上海で開かれる韓中ビジネスフォーラムへの出席を最後に訪中日程を終え、帰国する。 朴大統領は中国の「抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利70周年」記念式典に出席するため、2日に訪中した。3日間の短い訪問だったが、韓中関係の発展を確認する契機となり、朝鮮半島情勢を管理する面でも意味があったと評価される。また、韓中日首脳会談の開催で合意し、北東アジア外交で主導的な役割を果たした。◇発展した韓中関係を確認、北朝鮮の挑発抑止で協力 今回の訪中はまず、韓中関係の発展をあらためて確認する機会となった。朴大統領が米国の同盟・友邦国の首脳で唯一、3日に開かれた戦勝70周年記念式典に出席する誠意を見せたことに対し、中国は特別待遇で応えた。 朴大統領が2日に北京入りするとすぐに習近平国家主席、李克強首相との会談が相次ぎ開かれ、習主席は朴大統領と単独で昼食会も行った。また、中国は朴大統領をもてなすための特別チームをつくり、式典後の昼食会でも専用の待機室を用意する配慮を見せた。 式典の参観のため朴大統領が天安門城楼で習主席と並んで立つ姿は、変化した韓中関係を端的に示したと評価される。習主席の右隣に昔から中国との関係が深いロシアのプーチン大統領、その隣に朴大統領の順で並び、中国人民解放軍の軍事パレードを参観した。 北朝鮮の代表として出席した崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党書記が習主席から遠く離れた端の席だったのとは対照的だ。 朴大統領の訪中は、朝鮮半島情勢を管理する面でも意味があった。緊張緩和に向けた先月25日の南北合意でようやく生まれた対話ムードが、北朝鮮の朝鮮労働党創建記念日(10月10日)に合わせた長距離弾道ミサイルの発射などでしぼみかねないとの見方が出るなか、韓中は朝鮮半島の緊張を高める挑発に反対すると表明した。中朝関係が以前に比べぎくしゃくしているとはいえ、中国は依然として北朝鮮に影響力を持つことから、韓中がこうした共通認識を示すことは北朝鮮への圧力になるとみられる。 韓中首脳は同時に、朝鮮半島の非核化に向け意味のある対話の再開が必要だとする立場をあらためて確認した。◇韓中日首脳会談の開催で合意、北東アジア外交を主導 朴大統領と習主席が「10月末や11月初めを含めた都合の良い時期」の韓国での韓中日首脳会談開催に合意したことも、成果の一つに挙げられる。 歴史問題と韓中日の3カ国協力を切り離して対処する韓国と違い、中国は日本との歴史問題などを理由に3カ国の首脳会談再開に消極的だったが、今回の合意により日中の関係悪化などで2012年5月から中断している韓中日首脳会談が再開される見通しとなった。 朴大統領が昨年10月に3カ国首脳会談の開催を提案するなど、韓国政府は議長国として3カ国協力の修復に主導的な役割を果たしたと評価されている。 韓中日首脳会談が開かれれば、韓日首脳会談も同時開催される可能性が高い。会談のため安倍晋三首相が第2次政権発足後初めて来韓すれば、行き詰まった韓日関係も改善に向かうと期待される。◇韓米関係の管理が課題に 一方で、オバマ米大統領や安倍首相が欠席した中国の戦勝行事に朴大統領が出席したことは、韓米関係にとっては負担となりかねない。中国が韓米日協力をけん制するため韓国との関係強化を進めていることに、米国は懸念を持っている。そのため、朴大統領の来月の訪米は米国のこうした懸念を払しょくすることに焦点が当てられる見通しだ。◇韓中の経済協力も強化 訪中は、韓中間の経済協力を強化する契機にもなった。朴大統領は李首相との会談で、6月に正式署名した両国の自由貿易協定(FTA)を早期に発効させ、効果を最大化するために努力することで一致したほか、文化コンテンツの開発などに投資する2000億ウォン(約200億円)規模のベンチャーファンドを創設することでも合意した。 また、訪中には過去最多となる156人の財界関係者が同行し、韓中ビジネスフォーラムや現地企業との商談を行った。 stomo@yna.co.kr
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