【ソウル聯合ニュース】韓国政府は中東呼吸器症候群(MERS)流行の経験を踏まえた感染症対策の一環として、疾病管理本部の役割強化や感染症緊急状況室の常設、隔離病室の拡充などに取り組む。政府は1日、黄教安(ファン・ギョアン)首相が開く国家政策調整会議で、こうした内容を盛り込んだ「国家防疫体系改編案」を発表した。◇疾病管理本部長を次官級に格上げ 疾病管理本部は独立した組織にはせず、保健福祉部の下に置くが、疾病管理本部長を従来の室長級から次官級にすることで組織として格上げを図る。また、本部長は保健福祉部長官から人事と予算を一任されるなど、権限が拡大される。 危機警報と対応については、従来は4段階の警報レベルのうち最も高い「深刻」で中央災難(災害)安全対策本部が立ち上げられていたのを、今後は下から2番目の「注意」段階で政府全体の会議を招集し先手を打てるようにする。ただ、全段階を通じ「防疫対策本部」の役割を担うのは疾病管理本部となる。 感染症のリスクに迅速に対応するために、緊急状況室を平時にも年中無休の24時間体制で運営することにした。感染症に関する情報を収集し、危機状況が発生すれば関係機関に状況を伝え、対応チームを現場に派遣するなど指揮統制を担う。 ◇正規職の疫学調査官を増員 MERSが流行した際に専門性の不足が指摘されたことから、正規職の疫学調査官を増員する方向で補強する。公務員の職種に「防疫職」を新設し、事務官が疾病管理本部の現場で教育を受ける制度を導入することにした。 MERS感染拡大の原因として挙げられた総合病院への患者集中についても対策を講じる。病院・医院から大型病院への紹介状の様式を定め、診療報酬の対象にすることで、大型病院への集中を緩和する効果を狙う。◇隔離病室を拡充 MERS流行時には、室内の気圧を外部より低く保ちウイルスを含む空気を外に漏らさないようにする陰圧の隔離病室が足りなかった。2020年には1500人を収容できるよう大幅に増床する。エリア別に感染症専門治療病院を3~5カ所指定し、陰圧隔離病室を追加確保する方針だ。 また、院内感染対策の強化として、感染管理室設置の対象病院の基準を段階的に引き上げる。保護者に代わり看護師が看病するサービスも、総合病院の感染管理分野を中心に迅速に導入する計画だ。 防疫措置にあたる中央政府と地方自治体の役割分担も明確にする。新種の感染症や感染リスクが高い感染症は疾病管理本部が、相対的に感染リスクが低い感染症は自治体が担う。 mgk1202@yna.co.kr
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