【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は中国の抗日戦争勝利70年記念行事に出席するため、2日から4日まで中国を訪問する。朴大統領の訪中が2008年からこう着状態が続く北朝鮮の核問題に新たなモメンタム(勢い)を起こすきっかけになるか関心が集まる。 2日には習近平国家主席との韓中首脳会談が予定され、北朝鮮の核問題や朝鮮半島情勢などが話し合われる見通しだ。 朴大統領は首脳会談で北朝鮮を対話の場に導くなど核問題解決に向けた中国の役割を強調するとみられる。 韓国内の一部では中国の軍事力誇示に利用されることを懸念し西側首脳が1人も参加しない軍事パレードに朴大統領が出席する「誠意」を見せることから、中国側も韓国側の要求に耳を傾けるのではないかと期待する声が出ている。 首脳会談後に北朝鮮の核問題をめぐって両首脳がどんなメッセージを出すか注目が集まる。 北朝鮮の崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党書記も同記念行事に出席することから、これをきっかけに中国が韓中首脳会談での議論を基に北朝鮮側に戦略的挑発の抑止と6カ国協議再開などに関するメッセージを伝える可能性もある。 韓国政府は北朝鮮の核問題解決のため中国の役割を重視しており、韓中首脳会談後の米中首脳会談(今月末)、韓米首脳会談(来月16日)など連続して行われる首脳会談で韓米中の戦略的な対話を強化することに注力するとみられる。 このところ冷え込んでいる中朝関係だが、依然として北朝鮮に最も強い影響力を持つのは中国だと認識しているためだ。 こうした認識は先月31日に米アラスカ州・アンカレジで行われた尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官とケリー米国務長官の外相会談でも現れた。 両氏は朝鮮半島の平和と安定のため、中国の役割が重要だという認識を共有した。 また、尹長官は北朝鮮の核能力の高度化を食い止めるため韓米中で協議を強化していく方策を提示したとされる。 両氏は10月の韓米首脳会談で首脳レベルの「新たな共通認識」が導き出されるよう議論していくことで一致した。韓中、米中首脳会談を通じ韓国政府と米国が中国との協議を経て韓米間の緊密な対話を基に10月の韓米首脳会談で北朝鮮の核問題など、朝鮮半島情勢に関する「新たな共通認識」を導き出したい考えだ。 ただ、北朝鮮から姿勢の変化を引き出せるかについては悲観的な見方が多い。 北朝鮮はこのほど、非核化のための対話は行わないとする立場を明らかにした上で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行うなど、核能力の高度化を進めている。 中朝関係の悪化で中国が北朝鮮により強く要求できる余地が生じたとする評価もあるが、中国にとって北朝鮮は依然として「戦略的価値」を持つだけに、韓米の要求通りに北朝鮮を一方的に追い詰めることはしないとする見方も多い。 中国は少なくとも新たな挑発を抑止するのに注力しながら、対話の場に誘導するための方策に力を入れるとみられる。 また、北朝鮮の地雷爆発事件を機に緊張が高まった南北関係が対話局面に転じたことで、今後の核問題に関する北朝鮮の態度に変化があるかどうかも注目されている。 北朝鮮が10月10日の朝鮮労働党創建記念日に合わせ長距離弾道ミサイルを発射するかどうかが、今後の北朝鮮の変化の可能性を見極める上で重要なポイントになるとみられる。 sjp@yna.co.kr
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