【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮は22~25日に行った高官協議で軍事的緊張の緩和や当局者会談の開催、朝鮮戦争などで生き別れになった離散家族の再会などに合意したが、韓国青瓦台(大統領府)は南北関係に対し慎重な姿勢を崩していない。世論の関心は早くも今後の南北会談やその議題に移っているが、前のめりになりすぎず、北朝鮮の態度を見極めながら落ち着いて南北関係を管理していく考えだ。 青瓦台は、関係の改善に向けた北朝鮮の意志を確認する最初の機会として、秋夕(中秋節、今年は9月27日)に合わせた離散家族の再会行事を挙げている。青瓦台の関係者は27日、南北の合意事項の優先順位について「まずは離散家族の再会問題から解決すべきだ」と述べた。 離散家族の再会を優先課題としているのは、家族らが高齢であることに加え、6項目の合意のうち軍事的緊張緩和に関するものを除くと最も具体的で実現しやすいためとみられる。南北が合意した当局者会談の開催や民間交流の活性化などは、これから双方が協議して具体化していく必要があるのに対し、離散家族の再会は実務的な準備だけで実施できる。南北は再会行事に向け、来月初めに赤十字会談を行うことで合意している。 だが、離散家族の再会も合意通りに実現するかどうかは不透明だ。北朝鮮の一方的な通告で行事が直前に中止・延期されたケースが過去に少なからずあったためだ。 また、実務手続きなどを考慮すると再会は10月半ばになるとみられ、もし北朝鮮が10月10日の朝鮮労働党創建70周年に合わせて長距離弾道ミサイル発射などの挑発に出れば、南北関係が再び悪化し、再会行事も白紙化する恐れがある。 こうしたことから、青瓦台は離散家族の再会が実現するかどうかで南北関係の改善に向けた北朝鮮の本気度を見極められるとのスタンスで、再会行事も開かれていないうちから当局者会談の形式や議題を論じるのは先走りすぎだと警戒している。北朝鮮が応じてこそ合意を履行できるが、北朝鮮が積極的に応じるとは期待し難い懸案も少なくないためだ。 例えば2008年に起きた北朝鮮兵士による韓国人観光客射殺事件以来、中断している金剛山観光の再開や、10年3月の海軍哨戒艦「天安」撃沈事件を受け同年5月から実施している対北朝鮮制裁措置(5・24措置)の解除には、北朝鮮の謝罪と再発防止の約束などが必要だとする世論が根強い。 また、対話機運の高まりにもかかわらず実際の南北関係が好転しなかったり、北朝鮮が新たな挑発に踏み切り再び南北間の緊張が高まったりした場合、今の好意的な世論が批判的に変わりかねないことも、青瓦台が慎重な姿勢を崩さない理由とみられる。 青瓦台の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官は27日の会見で、南北間交渉は今後も続くため落ち着いて対応すべきだとするムードが内部にあると伝え、「(南北間)交渉は終わったのではなく、今からが始まりだ」と述べた。 stomo@yna.co.kr
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