【ソウル聯合ニュース】中東呼吸器症候群(MERS)流行の影響で業績が悪化している韓国航空大手、アシアナ航空が一部超大型旅客機を除く全機でファーストクラスを廃止することが、26日までに分かった。同社の金秀天(キム・スチョン)社長が社員に送った動画メッセージで発表した。 金社長によると、MERSの影響で6~8月の損害は約1500億ウォン(約149億円)。主要路線の日本、中国線の回復が遅れており、9月以降の業績にも影響が出ると予想される。 さらに、国内外の格安航空会社(LCC)のシェア拡大、中国―米国間の直行便増加、中東系航空会社の進出などで、大型機投入による座席数の大幅増や原油安にもかかわらず収益が悪化しているという。 今年上半期(1~6月)の売上高(単独ベース)は前年同期比5%減の2兆5552億ウォン。営業損失は140億ウォンで、前年同期より減少したものの、目標としていた営業利益707億ウォンに遠く及ばなかった。 赤字構造の改革に向け金社長は、競合社と比べ「絶対的劣勢」にあるファーストクラスを欧州エアバスの超大型旅客機「A380」4機でのみ運用すると発表。残る旅客機はビジネスとエコノミーの2クラスに転換するとした。 航空大手の大韓航空は国際線の全路線でファースト、ビジネス、エコノミーの3クラスを運用しているが、アシアナは大型機でのみファーストクラスを運用してきた。ただ、ファーストクラスの需要が少なく、空席で運航することが多かった。 また、全客席が単一クラスの「モノクラス」の機体を現在の12機からさらに増やす方針も明らかにした。 一方、子会社として釜山を拠点としたLCCのエアプサンを保有している同社はさらに、仁川を拠点としたLCCの設立を目指している。だが、4月に広島空港でアシアナ機が着陸に失敗し滑走路から外れる事故が発生したことなどから、当局への免許申請が遅れている。 金社長のメッセージを視聴した同社操縦士らは、同社が収益性改善のため休憩時間を十分に保障せず、操縦士が休憩する座席も規定とは異なりエコノミー席を与えるなどの事態が相次いでおり、安全運航に危険があると指摘している。 ikasumi@yna.co.kr
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