【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮の高官協議の妥結により、極度に高まっていた南北の軍事的緊張は緩和に向かう見通しだ。特に対話を通じ事態を解決し、南北関係の改善に向け努力することにも合意したことから、朴槿恵(パク・クネ)政権発足後、進展のなかった南北関係に順風が吹くのではないかという期待が膨らみ始めている。 双方は高官協議で、南北関係の改善に向けた当局者会談をソウルまたは平壌で早期に開催し、幅広い分野の対話と交渉を進めることにした。民間交流も活性化していく。また、秋夕(中秋節、今年は9月27日)に合わせ、朝鮮戦争で生き別れになった南北離散家族の再会を推進し、行事を継続するなど、人道的な交流も合意文に盛り込まれた。 今回の協議が南北衝突の危機の回避にとどまらず、多方面の交流と当局者会談につながったことから、その先に南北首脳会談も見えてくるのか、自然に関心を集めることになる。 南北首脳会談は実現自体が平和統一への基盤をつくるという面で、政権の大きな業績として残る。そのため現政権が互いの信頼醸成の進み具合をみながら首脳会談を切り出す可能性は排除できない。 進歩(革新)政権だった金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代にそれぞれ1回、南北首脳会談が行われている。保守政権の李明博(イ・ミョンバク)政権では開催に向け高官が海外でひそかに会合しながらも、結局実現しなかった。 今回の高官協議には韓国から青瓦台(大統領府)の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長、北朝鮮からは黄炳誓(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長が出席した。それぞれ朴大統領、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の意向をしっかりと伝えられる人物とされる。 北朝鮮は重要な決定を下す場面になるたびに協議の一時休止を求め、金第1書記に指示を仰いだ。韓国も朴大統領がほぼリアルタイムで協議の進行状況の報告を受けながら、必要な場合は指示を出したようだ。朴大統領と金第1書記が間接的に会談したともいえる。 朴大統領をはじめ、政府がこれまで首脳会談に開かれた姿勢を示してきたことからも、南北が改善関係に積極的に取り組み信頼が築かれれば首脳会談は十分にあり得るという見方が出ている。 しかし、青瓦台は「これまでの非正常的な南北関係がようやく正常化する第一歩を踏み出した」とするにとどめ、慎重な姿勢を保っている。この日、高官協議の合意結果を発表した青瓦台の金国家安保室長も、南北首脳会談開催については「話をする段階ではない」とした。 南北首脳が会談のテーブルにつくまでの道のりは平坦(へいたん)ではないという見方もある。北朝鮮は南北交流と協力を通じた関係改善が体制崩壊につながりかねないと警戒している。今回の協議は、ひとまず北朝鮮に対する宣伝放送を中断させることを目標に臨んだが、今後どのように転じるかは定かでない。 mgk1202@yna.co.kr
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