事故海域に到着した作業船=(聯合ニュース)
事故海域に到着した作業船=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】昨年4月に韓国南西部の珍島沖で沈没した旅客船セウォル号の船体引き揚げに向け、韓国海洋水産部と船体引き揚げを担当する企業連合が19日午後3時ごろ、水中調査を開始する。 事故発生から490日となる。セウォル号は水深約44メートルの海底で、船首を東に向け左舷を横たえている。同号は6825トンだが、海生生物などが付着しており、重さは約8500トン程度になっていると推定される。 世界的にもこの規模の船を切断せずそのまま引き揚げた例はないが、船内には行方不明者9人が残っているとされ、船の形を保ったまま陸地まで運ばなければならない。 韓国政府は昨年11月11日、9人の行方不明者を残したまま捜索作業の終了を発表した。その後、海洋水産部の下に設置された特別チームが船体引き揚げの方法や技術を検討し、事故1年を控えた今年4月10日、横たわった状態での引き揚げが可能との見解を示した。 これを受け政府は4月22日、引き揚げの決定を正式に発表し、5月22日に引き揚げ業者を選定する国際入札を公告した。7月15日に最優先交渉対象として中国交通運輸省所管の上海サルベージと韓国企業による企業連合を選定、8月7日に契約を交わした。上海サルベージは15日に中国の潜水士や技術者約150人を乗せたバージ船と引き船を韓国に送り、現場に海上作業基地を設置した。 19日午後3時ごろ、潜水士が海中のセウォル号の状態や潜水環境などを確認する作業に入る。兪奇濬(ユ・ギジュン)海洋水産部長官や取材陣もこの日、海上基地を訪れる予定だ。 これから10日間、セウォル号の状態を詳しく調べ、これを踏まえて引き揚げの実施計画を完成させる予定だ。引き揚げは、まず船体に残る油除去や遺体などの流失防止作業をし、船内に浮力材や圧縮空気を挿入。船首にワイヤーを巻きクレーンで浮かせた後、船体の下にリフティングビームを設置する。これをクレーンにつなぎ水深23メートルまで持ち上げ、フローティングドックに載せ港まで移動するという方法で進められる。 犠牲者の家族は、まだ見つかっていない9人の遺体の回収を最優先するよう要求している。政府も行方不明者の遺体回収が究極の目的だとしながら、別途に予算を確保し作業中の遺体流出防止に努める。 海洋水産部は台風などの影響を踏まえ、来年7月ごろまでに引き揚げ作業を完了する計画だ。引き揚げ費用の851億ウォン(約89億円)は、作業段階に応じ3回に分けて支払う。 mgk1202@yna.co.kr
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