【ソウル聯合ニュース】兄弟による経営権争いが続いていたロッテグループの日本事業の持ち株会社、ロッテホールディングス(ロッテHD)の臨時株主総会が17日午前、東京で開かれ、同グループ創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)氏の次男でロッテHDの代表取締役副会長、辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)氏が引き続き経営を主導していくことが確認された。これにより、事実上、韓国と日本ロッテの「ワントップ体制」が固まった。 東彬氏は1955年に日本で生まれ青山学院大経済学部を卒業した。米コロンビア大大学院で経営学修士(MBA)を取得し81年から88年まで野村証券ロンドン支店に勤務した。 その後、日本のロッテ商事に入社、90年にはロッテケミカルに入社したことで韓国ロッテと関わることになる。 97年にロッテグループの副会長に昇進するなど体系的に経営能力を積み重ね2004年10月にロッテ政策本部の本部長に就任したことでグループ経営の前面に立った。 06年にはロッテショッピングを韓国と英国の証券市場に上場させた。 また、国内外で約30件の買収・合併(M&A)を成功させ、グループの力量を強化し系列社間の相乗効果を生み出した。 さらに、11年には韓国第5位の企業グループ(財閥)の会長になった。 こうした海外進出やM&Aでの積極的な経営活動により、東彬氏が政策本部長に就任した04年当時、23兆ウォン(現在のレートで約2兆4000億円)だったグループの売上高は13年には83兆ウォンを超えた。 当初、グループの後継者には日本ロッテは創業者長男の辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)氏が、韓国ロッテは東彬氏とされていたが、昨年末に東彬氏のワントップ体制へと徐々に傾いていった。 ロッテHDは昨年12月26日に緊急の臨時取締役会を開き東主氏のロッテ商事副会長兼社長など系列3社の役職を解いた。 東主氏は今年1月8日にロッテHDの役職を解任され、日本ロッテの経営から完全に排除された。また、韓国ロッテの主要系列社の役職も解かれた。 一方、東彬氏は今年3月、韓国ロッテグループの支配構造のトップに立つホテルロッテの取締役に初めて就任した。 ホテルロッテは日本ロッテと韓国ロッテグループをつなぐ中核の系列社で、ここに名を連ねたことは意味が大きいとされる。 ホテルロッテの筆頭株主はロッテHDだ。さらに、ホテルロッテはロッテショッピング(持ち分比率8.83%)、ロッテアルミニウム(同12.99%)、ロッテリア(同18.77%)などの大株主で、韓国ロッテグループの実質的な支柱となっている。 こうして東彬氏によるワントップ体制が着々と進められる中、東彬氏の韓日ロッテ同時経営の可能性をうかがわせる出来事があった。 今年3月、ベトナムで東彬氏の主催により開かれたグローバル食品戦略会議で佃孝之ロッテHD社長が「ワンロッテ、ワンリーダー」(一つのロッテ、1人のリーダー)という言葉を韓国と日本のロッテ食品系列社社長に提示し、「韓国と日本のロッテは1人のリーダーの下で動くべきだ」と強調したという。 東彬氏は7月16日に正式に日本ロッテの経営まで担うことになり、両国ロッテグループの共同会長に当たる地位に就いた。 これに対抗し、東主氏が父親である格浩氏を前面に立たせ反撃を試みたが、東彬氏が今月に入ってロッテグループの大株主で12社ある「L投資会社」の単独代表取締役に就任したのに続き、この日のロッテHD株主総会で完全勝利を収めたことで「ワントップ体制」を確立することになった。 だが、今回の経営権をめぐる兄弟の争いで浮き彫りになった「日本企業ロッテ」というイメージをどう刷新するのかや、今年1月にロッテHDの副会長を解任された東主氏が起こす可能性のある訴訟にどう対応するのかなど、懸案が山積しており今後の見通しは不透明だ。 sjp@yna.co.kr
Copyright 2015(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0