【ソウル聯合ニュース】今年、日本の植民地支配解放から70年を迎える韓国は、この間、国際社会での位置づけが飛躍的に上昇した。 1945年8月15日、日本の敗戦でようやく植民地支配から解放されたものの、大国の冷戦構造の中に組み込まれ、解放の喜びに浸るまもなく南北分断という試練に直面した。 国連韓国臨時委員団(UNTOK)の監視下で行われた総選挙を通じ、48年8月15日に南側では大韓民国政府が誕生。35年間の日本の植民地支配と3年間の米軍政を経て、韓国が国際社会の一員として第一歩を踏み出した。 だが50年には、北朝鮮の侵攻で朝鮮戦争が勃発し、国土は荒れ果てた。 廃墟から立ち上がる唯一の方法は、米国をはじめとする国際社会から支援を受けることだった。 53年から60年の間、米国からの支援は計17億ドル(現在のレートで約2100億円)に達し、これは当時の韓国政府予算の4割以上を占める規模だった。 国連も韓国統一復興委員団(UNCURK)と韓国再建団(UNKRA)を中心に戦時中はもちろん戦後も韓国経済の再建や救援を行った。◇最貧国から「援助先進国クラブ」へ 国際社会の援助を受け韓国は無から有を生み出した。 民主主義と市場経済の二兎を得て、いわゆる「モデル国家」に生まれ変わり、先進国と開発途上国の橋渡しを務めている。 韓国の経済成長は世界でも類を見ない成功例として評価されている。 支援される国から支援する国へ、さらには成功のヒントを与える国として位置づけられるようになった。 それを象徴するのが、2009年に経済協力開発機構(OECD)開発援助委員会(DAC)の24カ国目の加盟国になったことだ。 96年にOECDに加盟してから13年で「援助先進国クラブ」と言われるDACに加盟した。 61年にOECDが発足してから、韓国は被援助国から援助国へと立場が逆転した初の事例となった。 OECDが発表した13年のDAC加盟国公的援助実績によると、韓国は17億4000万ドルの政府開発援助(ODA)を行った。 ◇国連事務総長を輩出 国際舞台での地位高める 国連における韓国の位置づけも激変した。91年9月17日の国連総会で南北が国連に同時加盟したことは大きな出来事だった。 48年12月12日の国連総会で、韓国を朝鮮半島における唯一の合法的な政府として認める決議が採択された。 49年1月19日に国連加盟申請書を提出し、国連への加盟を試みたが旧ソ連の反対で加盟できなかった。 国連への加盟は韓国が樹立して43年で最大の外交懸案が解決されたことを意味した。 国連加盟は当時の「北方外交」を通じた根回しの成果でもあった。 89年のハンガリーを皮切りに東欧諸国と外交関係を樹立し、90年には旧ソ連との歴史的な国交樹立を迎えた。 これは92年の韓中国交樹立につながる。北朝鮮の伝統的な友好国と手を結ぶことで韓国の外交の幅をより一層広げたと評価される。 国連加盟から5年後には、国際平和と安全のための最も強力な組織である安全保障理事会の非常任理事国に選出された。 96年に続き2013年からは2回目の安保理非常任理事国を務めた。 2回目の非常任理事国の任期中には、北朝鮮の事実上の長距離弾道ミサイル発射と3回目の核実験に対する対北朝鮮制裁を採択するのに主導的な役割を果たした。 01年9月11日の米同時多発テロ事件直後に開催された国連総会では、当時の韓昇洙(ハン・スンス)外交通商部長官が議長を務めた。 そしてもう一つの大きな出来事は韓国人初の国連事務総長を輩出したことだ。 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は07年に任期を開始。現在2期目を務め、来年末には任期が終了する。 国際社会における韓国の役割が拡大するのに伴い、91年の国連加盟当時、国際機関に勤務する韓国人は17機関、139人に過ぎなかったが、13年には59機関、479人に増加した。 韓国政府は10年に20カ国・地域(G20)首脳会合、12年に核安全保障サミットをソウルで開催。また、国際機関「グローバル・グリーン成長研究所(GGGI)」と、「グリーン気候基金(GCF)」を韓国に誘致した。 韓国は昨年末基準で26の国連や国連傘下機関、84の政府間機関に参加している。 朝鮮戦争の際に国連軍の支援を受けた韓国は、93年7月に初めてソマリアに派兵して以降、レバノンや南スーダンなどでの国連平和維持活動(PKO)に積極的に参加している。 対テロ、人権、気候変動、保健およびサイバーセキュリティーなどグローバルな問題でもその役割を拡大させている。 経済外交分野でも韓米自由貿易協定(FTA)に続き、韓中FTAに正式署名するなど「経済領域」も大きく拡大した。 ◇地域情勢では新たな課題に直面 だが、過去の成果にばかり目を向けてはいられない。日本の植民地解放後に始まった南北分断が長期化し課題として残っている。 北朝鮮の核とミサイル開発により、朝鮮半島は危機的状況に追い込まれている。 また米中間の対立や日本の歴史認識問題などで北東アジアをめぐる情勢は大きく揺れている。 リバランス政策(アジア重視戦略)を進める米国は日本との蜜月を通じ中国をけん制する姿勢を取っている。これに対し中国は「新たな形の大国関係」の構築を目指し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を創設し影響力の拡大を狙っている。 また、日本は過去の戦争に心から反省する姿勢を見せないまま、米国と防衛協力指針(ガイドライン)の再改定で合意し、戦犯国から「普通の国」へと歩みを進めている。 国際社会において、より積極的で戦略的な韓国の外交姿勢が必要だと指摘されている。 sjp@yna.co.kr
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