インタビューに応じる岡本行夫氏=(聯合ニュース)
インタビューに応じる岡本行夫氏=(聯合ニュース)
【東京聯合ニュース】三菱マテリアル(旧三菱鉱業)は先月19日に米ロサンゼルスで、戦時中に日本に強制徴用され過酷な労働を強いられた元米国人捕虜らに謝罪したが、訪米に先立ち日本政府に報告をしていたことが分かった。三菱マテリアル社外取締役で元米兵への謝罪に同席した元外交官の岡本行夫氏が、聯合ニュースとのインタビューで明らかにした。 三菱マテリアルは中国人の元労働者に対しても謝罪し損害賠償訴訟で和解すると報じられている。その一方で、韓国人被害者については言及していない。 岡本氏が言う「報告」がどのような形式だったかは明らかでないが、三菱マテリアルは日本政府の直接、または間接的な同意を得て謝罪したものと推定される。 ただ同社が先月元米兵らに謝罪した際、在米日本大使館の大鷹正人公使は、謝罪は三菱マテリアルの決断であり、日本政府は関与していないと発言。菅義偉官房長官も政府としての論評は差し控えるとして、企業側の判断という点を際立たせた。 岡本氏は、今回の聯合ニュースとのインタビューは外交評論家として応じるもので、自身の発言が三菱マテリアルの公の立場ではないと前置きした。 訪米前に日本政府への報告があったことに言及しながら、請求権問題は解決しているため賠償金を支払うことはないというのが日本政府の立場だと話した。   同氏は謝罪について、企業として行ったものだと述べた。中国人の元労働者への謝罪と支払いに関する報道に関しては、裁判が続いているため回答できないとした。企業として人として謝罪する意味で何らかの支払いがあるとしても、中国人の強制労働者との請求権は解決済みであり、請求権とは別個だという。 また、米国人の捕虜と中国人の強制労働者は基本的に捕虜として日本に連れて来られ、日本人と共に働いていた韓国人労働者とは異なるとの見解を示した。戦時中に日本が韓国人労働者を徴用したことは誤りだったと個人的には考えているとしながらも、捕虜を働かせたこととは別の次元の問題だと述べた。 会社側の記録には戦争捕虜や中国人労働者を働かせたことは載っているが、韓国人労働者を使っていたかどうかはまだ確認されていないと説明した。万一、韓国人が差別を受け、戦争捕虜や中国人労働者のように厳しい労働を強いられていたならば、当然謝罪すべきだと言い添えた。 岡本氏は今回の発言を会社としての立場を示すものではないとしたが、三菱マテリアルが韓国人の徴用を謝罪しないのは、この問題に対する韓国側との認識の違いだけでなく、日本政府の態度も影響を及ぼしたと考え得る。 同氏は、安倍晋三首相が近く発表予定の戦後70年談話の方向性について提言する首相の私的諮問機関「21世紀構想懇談会」のメンバーでもある。 mgk1202@yna.co.kr
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