韓国の公正取引委員会が、ロッテに照準を合わせた。内紛をきっかけにこれまで異常だった所有持分関係が表面化されたことにより、詳しい調査が必要だという判断によるものだ。(提供:news1)
韓国の公正取引委員会が、ロッテに照準を合わせた。内紛をきっかけにこれまで異常だった所有持分関係が表面化されたことにより、詳しい調査が必要だという判断によるものだ。(提供:news1)
韓国の公正取引委員会が、ロッテに照準を合わせた。内紛をきっかけにこれまで異常だった所有持分関係が表面化されたことにより、詳しい調査が必要だという判断によるものだ。ロッテの支配構造の頂点にいる光潤社、ロッテHDはもちろん「L」で始まる12の正体不明な投資会社も公正取引委員会の調査範囲に含まれる見込みである。

 5日、公正取引委員会によると、ロッテグループの海外系列会社全体の現況と、各系列会社の株主現況、系列会社の株式保有現況及び役員の現況について、20日までに資料を提出するよう通告した。

 公正取引委員会は資料提出を受けて内容を分析した後、これまで報告されていない系列会社の存在や重光武雄(韓国名:辛格浩/シン・ギョクホ、92)ロッテグループ創業者の持分率の変動があるのかを調べる方針。また昨年から禁止された新規循環出資が発生したのかについても調査対象となっている。この過程でこれまでの申告内容に虚偽がある場合、検察への告発も検討している。

 今回の公正取引委員会の方針が厳重であるほど、これまで不透明極まりないロッテグループの支配構造の全貌が明らかになる可能性が大きいと見られている。そのうち一番注目を集めているのは、ロッテグループを事実上支配している位置にある投資会社の「L投資会社」である。Lで始まり1番から12番まで一連の番号がついた前例のない構造だが、社内の財務担当者も知らないほど、徹底してベールに包んでいた。

 金融監督院電子公示によると、韓国ロッテグループの持株会社の役割をしているホテルロッテの最大株主は持分19.07%を保有したロッテHDである。

 しかし少しだけ中をのぞいてみると、ホテルロッテの持分を一番多く保有しているのはL投資会社だ。ホテルロッテの持分72.64%を分けて保有している。それ以外にもL投資会社は、ロッテロジスティクスを45.34%、ロッテアルミニウムを34.92%、釜山ロッテホテルを53.38%所有している。しかし実態を知る人はロッテグループ内でもオーナーグループほどしかなく、公示もほとんどされていなかった。

 現在L投資会社に関しては、重光武雄氏が借名で保有した特殊目的法人(SPC)の可能性があるという。あるいは武雄氏が知人と共に構成した一種の投資組合である可能性もある。持分を外部の人がよくわからない上、あちこちに分かれて自分に対抗する勢力が現れないようにした武雄氏特有の閉鎖性があらわになった部分だ。

 L投資会社の情報がちょろっと公開されたのは、2007年の日本ロッテグループ再編過程においてだ。当時、ロッテルミニウムは、最大株主である「L2投資会社」が、ロッテ商事から分離した投資部門会社であり、住所が東京都渋谷区初台2-25-31だと明かされた。会社代表や登記上の取締役に武雄氏一家をはじめとした日本ロッテHD代表の名前が挙がっており、住所も日本ロッテHD本社と同じである。

 もしL投資会社が武雄氏の所有であれば、今後経営権紛争の最大変数となるのはL投資会社になると見られる。事実上、重光昭夫(次男、韓国名:辛東彬/シン・ドンビン、60)現ロッテグループ会長本人の有効持分では、ホテルロッテの75.65%の持分を握った投資会社ファミリーに刃が立たないからである。

 一部では、L投資会社がこの数年間、韓国ロッテ系列会社から受けてきた配当金が数千億ウォン(数百億円)にのぼるほど、武雄氏一家の“財布”の役割をしていたのではないかという疑惑もあがっている。

 ホテルロッテの2014年事業報告書によると、ホテルロッテが昨年最大株主及び特殊関係人に配当した金額のうち、L3を除外した11のL投資会社が受け取った配当は186億ウォン(約20億円)に及ぶという。


Copyrights(C) News1 wowkorea.jp 0