【ソウル聯合ニュース】韓国の情報機関、国家情報院(国情院)がスマートフォンなどから情報を盗むソフトウエアをイタリアの企業から購入していたことに絡み、最大野党・新政治民主連合が国情院による民間人へのハッキング疑惑をソウル中央地検に告発した問題で、同地検は27日、公安2部が疑惑を捜査すると発表した。 検察関係者は、事件が国家情報機関の安保業務と関連しているという点、公安2部が2002年と2005年に市民団体から告発のあった国情報の盗聴疑惑事件を捜査したことがあるという点などを総合的に踏まえ捜査担当を決めたと説明した。 国情院が検察の捜査対象になるのは大統領選挙介入疑惑事件と、ソウル市職員スパイ疑惑事件における証拠偽造に続き現政権になって3回目。 新政治民主連合が今回告発の対象にしたのはハッキング用のソフトウエアを購入した2012年に国情院の院長だった元世勲(ウォン・セフン)氏とソフトウエア輸入仲介業者「ナナテック」などだ。国情院が主にハッキングに使われるソフトウエアをイタリアの企業からナナテックを通じて購入した過程が違法であることに加え、これを民間人に対する捜査に利用した疑いがあるとしている。 国情院が今回の疑惑と関連して内部資料を削除するなど、証拠隠滅を試みたという内容も告発状に含まれた。告発状には国情院が認可されていないハッキングソフトウエアを導入・運用し、通信秘密保護法や情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律に違反したほか、業務妨害容疑もあると記されている。 国情院がハッキングソフトウエアを使い、国民のコンピューターやスマートフォンなどから個人情報を抜き出す手法を用い、違法捜査を行ったかどうかを明らかにするのが争点となる。 国情院は同ソフトウエアを購入した事実を認めながらも、捜査への利用を全面的に否定。海外や北朝鮮情報の収集や実験・研究用に使うため導入したと主張している。 検察はまず告発人である新政治民主連合の関係者を相手に告発の趣旨などを調査した後、捜査対象を絞りこんでいくとみられる。  与党関係者は、ハッキング用ソフトウエアの実務を担当し、先ごろ自殺した職員が削除した資料を国情院が復旧・分析した結果、韓国人への捜査は行われなかったと主張している。 検察は国情院に対し強制捜査を行うには条件を満たしていないと判断し、安保関連事案に対する理解度が高く、国情院の捜査協力を引き出せるような関係が構築されている公安部に事件を任せたとみられる。 新政治民主連合に続き、市民団体などが近日中に今回の疑惑に対する告発状を出す準備をするなど、問題は大きくなる見通しだ。 検察は当分の間、資料収集と関連法の検討に注力し、今回の疑惑に関する国情院の国会情報委員会への報告内容や、聴聞会をはじめとする国会レベルでの真相調査作業の推移を見守るとみられる。 yugiri@yna.co.kr
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