【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁は7日、米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントが申し立てたサムスン物産のKCCに対する自社株売却の禁止を求める仮処分申請を棄却した。 サムスン物産株を保有しているエリオットは先月11日、サムスングループの事実上の持ち株会社、第一毛織との合併を計画しているサムスン物産が合併を成功させるため自社株899万株(5.76%)をKCCに売却することを決定したことを受け、株売却が既存の株主の保有株式を希釈するほか違法の可能性があるとして、仮処分を申し立てていた。KCCは第一毛織株の10.18%を保有している。サムスングループのオーナー一家と特殊関係人(52.24%)に次いで保有率が高い。 裁判所は、KCCに対するサムスン物産の自社株売却の目的や方法、価格、時期、売却先の選定などが全て正当だと判断した。 サムスン物産の自社株売却の主な目的は第一毛織との合併承認だが、合併自体がサムスン物産の株主にとっても損害ではないため、株売却が不当だとみることはできないとの見解を示した。その上で、自社株売却が合併に反対する株主の株式買収請求権行使に備えた資金確保の目的もあり、合理的な経営決定だとした。 エリオット側は、KCCのサムスン物産株取得価格が1株当たり7万5000ウォン(約8100円)で、第一毛織との合併比率を決める際のサムスン物産の株価(1株当たり5万5000ウォン)より高く、KCCの株主に損害を与えると主張したが、裁判所は受け入れなかった。 サムスン物産は「裁判所の決定を歓迎する。株主の支持を集め、合併作業を完了させたい」とコメントした。 エリオットは「サムスン物産の自社株売却が不当だという立場に変わりはない」と述べ、抗告する方針を明らかにした。 サムスン物産は9月1日付で、第一毛織と合併する計画を発表している。計画ではサムスン物産株1株に対し、第一毛織株0.35株が割り当てられる。両社は17日にそれぞれ株主総会を開き、合併契約書承認などを決議する。 サムスン物産株を7.12%保有しているエリオットは先月9日、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長らサムスンオーナー一家のサムスン電子に対する支配権継承に向け、不当な合併比率で第一毛織とサムスン物産の合併が進められていると主張し、株主総会の開催および合併決議禁止の仮処分をソウル中央地裁に申し立てたが今月1日に棄却され、ソウル高裁に即時抗告した。 エリオットの仮処分申請が相次いで棄却されたことで、サムスン物産と第一毛織の合併、サムスンオーナー一家の支配権継承作業はさらに弾みかつきそうだ。 hjc@yna.co.kr
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