開所式で国連のフセイン人権高等弁務官(左)と握手を交わす尹長官=23日、ソウル(聯合ニュース)
開所式で国連のフセイン人権高等弁務官(左)と握手を交わす尹長官=23日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が23日午後、ソウルで北朝鮮の人権状況を監視するための拠点となる国連北朝鮮人権事務所(ソウル国連人権事務所)の開所式を行った。 事務所は鍾路区のソウルグローバルセンターに設置され、5人の職員が勤務する。北朝鮮で組織的に広範囲で行われている人権侵害の責任を糾明するため、その状況をモニタリング、記録し、証拠を保存する役割を担う。また、北朝鮮の人権問題を外部に知らせ、関係国の政府や市民社会の関与を促す。 開所式には国連のゼイド・フセイン人権高等弁務官や韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官らが出席した。 フセイン氏は祝辞で「数百万人が全体主義のシステムに閉じ込められ、自身の自由を否定されている」とした上で、「数万人は政権に忠誠を尽くさなかったという理由で、これよりさらに恐ろしい運命の中で苦痛を受けている」と北朝鮮の人権状況を強く批判した。 また「事務所は北朝鮮の人権問題を観察して記録することにより、今後、責任の所在を明らかにするための基盤を用意できると確信する」と話した。 北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)は昨年2月、1年間の調査活動をまとめた報告書を通じ、北朝鮮で反人道的な犯罪が行われているとしながら責任追及などの措置を取るための組織を設置するよう提案した。国連人権理事会はCOIの勧告を反映した決議を採択。OHCHRに対し、北朝鮮の人権状況を監視、記録するための現場組織の設置を要請した。 国連は事務所の候補地を検討した結果、韓国が最適と判断したもようだ。その後、韓国政府と国連は事務所開設に向けた協議を重ね、今年5月に覚書を交わした。 一方、北朝鮮はソウル事務所の開設に強く反発しており、南北関係には悪材料となりそうだ。今月19日には事務所開設を理由に、7月3~14日に韓国南西部の光州市で開催されるユニバーシアード夏季大会への不参加の意向を伝えた。 また、事務所の開設は核問題とは直接関連がないものの、北朝鮮が敏感な反応を見せていることから、核問題への影響にも注目が集まっている。 yugiri@yna.co.kr
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