金融通貨委員会を主宰する李総裁=11日、ソウル(聯合ニュース)
金融通貨委員会を主宰する李総裁=11日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は11日、月例の金融通貨委員会を開き、政策金利を過去最低の年1.75%から年1.50%にさらに引き下げた。3月以来、3カ月ぶりの利下げとなる。 今回の利下げの背景には、最近の韓国の景気は回復が弱々しい上、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス問題の経済への打撃が予想以上に大きく、景気が悪化しかねないとの危機感があったようだ。 李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は4~6月期が景況拡大と悪化の分かれ目になると予想していたが、5月に一部の消費指標はマイナスに転じた。さらに先月末からMERSコロナウイルス感染が急速に広がった影響で、外国人観光客が韓国旅行をキャンセルし、百貨店と大型スーパーの売上高やクレジットカードの使用額が減少するなど、消費マインドの冷え込みが深刻だ。 そのため韓国銀行は、追加利下げを通じ実体経済の回復を下支えすることで景気が下向く事態を防ぐという意志を市場に明確に示したといえる。また、米国が年内に利上げを実施すると予想される中、韓国銀行が利下げする時間的な余裕はさほど残されていないという判断もあったようだ。 韓国銀行の利下げ決定を受け、韓国政府が追加補正予算を編成し景気てこ入れに乗り出すか注目される。 一方、銀行などの預金や貸出金利の引き下げも進むと予想される。これにより家計(個人)負債の増加が加速し、金融市場の潜在的なリスクになるとの懸念が増している。昨年末から始まった利下げと不動産規制の緩和を背景に、家計負債は1100兆ウォン(約121兆5000億円)を超えたとされる。 mgk1202@yna.co.kr
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