【ソウル聯合ニュース】韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が拡大する中、5日後に迫った朴槿恵(パク・クネ)大統領の公式訪米(14~18日)が予定通り行われるかに関心が集まっている。 国民の生命・安全が脅かされる事態が発生している状況で、国政の最高責任者である大統領の外国訪問は果たして正しいのかという指摘が野党はもちろん、与党内からも出ている。 青瓦台(大統領府)関係者は9日、聯合ニュースの取材に対し「今のところ予定通り(訪米の)準備を進めている」とした上で、日程の変更などは検討していないと伝えた。 ただ、政府の対応が後手に回ったという批判やコントロールタワーの不在を指摘する声が高まっていることに加え、時期的にも訪米期間中にMERS感染がさらに拡大するか収束するかの分水嶺を迎える。 また、朴大統領が韓国旅客船セウォル号の沈没事故から1年にあたる4月16日に予定通り南米を歴訪した際には、李完九(イ・ワング)前首相が裏金疑惑で辞意を表明したこともあり、野党から批判が上がった。 こうした点を踏まえ、青瓦台が訪米日程を変更するのではないかという見方も出ている。 だが、今回の訪米はリバランス政策(アジア重視戦略)を進める米国の招きで実現するもので、韓米首脳の日程調整を経てようやく確定した経緯がある。 16日に予定されている韓米首脳会談を延期すれば、年内に相手国を訪問しあらためて首脳会談を行うのは難しいとみられる。 さらに、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験を行うなど挑発を続けている上、日本が米国と新蜜月時代に入り、中国とは関係改善に向け動いている中、韓国としては米国との首脳会談で同盟関係をあらためて強調しておく必要性が高まっている。 8月には安倍晋三首相の戦後70年談話が発表されることもあり、その前に米国を通じ韓国の立場を日本に伝えるべきだとする声も少なくない。 青瓦台はMERS感染の拡大状況や世論を総合的に勘案し、判断を迫られることになる。 sjp@yna.co.kr
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