ソウル市が4日、ソウル市内のD病院医師で35人目のMERS感染者となるAさんが、発症した5月30日に1565人の市民と接触したとして感染対応策を準備すると明かしたことについてAさんは反論した。(提供:news1)
ソウル市が4日、ソウル市内のD病院医師で35人目のMERS感染者となるAさんが、発症した5月30日に1565人の市民と接触したとして感染対応策を準備すると明かしたことについてAさんは反論した。(提供:news1)
ソウル市が4日、ソウル市内の大規模なD病院の医師で35人目のMERS(中東呼吸器症候群)感染者となるAさんが、発症した頃と思われる5月30日にソウル市を回って1565人の市民と接触したとして、感染対応策を準備すると明かしたことについてAさんは5日、「恐怖を助長しているだけだ」とソウル市の主張に反論した。

 隔離病棟に入院してから4日目になる今月5日、Aさんは「ソウル市が私に直接『MERSの症状が現れた頃』に対して何も確認しなかった」とした。ソウル市はただAさんが政府の疫学調査官に明かした動線の資料を受け取り、4日のブリーフィングで進めたというのだ。

 ソウル市は4日、「35人目となる感染者(Aさん)が1日にMERS感染を確認した。5月29日から軽い症状を見せ、30日から症状がひどくなった」とし、「30日に再建築関連の総会行事に出席し、1500人余りの人が感染の危険にさらされた」と深刻なレベルであることを伝えた。

 しかし「ソウル市が主張した時期は、MERSの症状がなかったため感染力はなく、市民に恐怖を与えただけだ」というのがAさんの説明だ。Aさんは「たった10分間でも私に電話をして当時の状況を確認してくれていたらと思うが、そういったことはなかった」とし、「昨日のソウル市のブリーフィングにショックを受けて体調がさらに悪くなった」と明かした。

 Aさんはソウル市が明らかにした5月30日の動線で、AさんはMERS潜伏期間の状態だったと説明。潜伏期間にはウイルスが体外に出ることはなく、他の人への感染力はない。

 Aさんは「5月31日午前に退勤してから昼寝をして起きた午後3時から症状が現れ始めた」と述べた。5月29日にも咳は出ていたが、小さな頃からアレルギー疾患があり、普段と変わりない程度のものだったという。5月30日も同じだ。しかし5月31日午後になって症状に変化があった。

 Aさんは「もし家にいる時にMERSの症状があったなら、すでに私の妻も感染しているはずだ。夫婦だから当然、接触するだろう」とし、「午後3時から自宅隔離し、二人でN95マスクを着用していた。その上、同居している義母にも会わないようにした。医者として基本ではないだろうか」と述べた。

 Aさんは、5月27日にD病院の救急救命室で14人目の感染者と接触。感染者を診療したわけでなく、同じ空間にいたことが保健当局により確認されている。

 5月29日は軽い症状を見せたのは、Aさんによると「アレルギー性鼻炎」のせいだという。これについて保健当局はAさんが言う5月31日に発症したとは確定していない。症状の体感が主観的で、MERSコロナウイルスの潜伏期間が2~14日であることを考えると、29日にわずかでも症状が出ていた可能性は排除できないとしている。ただAさんが、5月30日に接触した1565人の市民に対しては低いレベルの電話問診によって調査するとだけしており、感染の可能性は極めて低いと見ている。

 Aさんは5月31日午前に行われた病院のシンポジウムには出席しなかったという。ただ病院で、この日の午前にマスクを着用して回診していた。その後帰宅して休んだ後、午後から症状が現れ、この日の夜にD病院に連絡して隔離措置をとった。6月2日未明にMERS感染の判定を受け、他の病院の隔離病棟に移送された。

 Aさんは「ソウル市が正しく確認せず発表した内容によって、国民の不安や恐怖が広がっている」とし、「ソウル市庁がなぜそのような発表をしたのか理解できない」と述べた。


Copyrights(C) News1 wowkorea.jp 0