MERSの感染が疑われ、施設や自宅に隔離された人の数が一夜にして数百倍にも増えているなど、次第に恐怖が現実化している中、相変わらず保健当局の管理がお粗末であることがわかった。(提供:news1)
MERSの感染が疑われ、施設や自宅に隔離された人の数が一夜にして数百倍にも増えているなど、次第に恐怖が現実化している中、相変わらず保健当局の管理がお粗末であることがわかった。(提供:news1)
MERS(中東呼吸器症候群)の感染が疑われ、施設や自宅に隔離された人の数が一夜にして数百倍にも増えているなど、次第に恐怖が現実化している中、相変わらず保健当局の管理がお粗末であることがわかった。

 3日、江南(カンナム)保健所などによると、ソウル市江南区在住のMERS感染の疑いがある51歳女性は2日午前、自宅隔離から脱して行方をくらませた。女性の管理をしていた保健当局はこの日午後5時40分頃、警察に位置追跡を要請し、その結果この女性は、韓国南西部に位置する全羅北道(チョルラプクト)高敞(コチャン)郡のゴルフ場でゴルフをしていたことがわかった。

 保健当局はこの日の午後10時頃、女性を業務車両に乗せてソウルに帰したが、女性は既にこの日の午前に夫と共に家を出て、タクシーで移動した後、一行の15名ほどと共にバスに乗って高敞郡に向かったという。

 MERS3次感染者まで発生し、保健当局は隔離者に対する管理を強化するとしておきながら、このようなおろそかな管理を憂慮する声がさらに高まってきている。

 確認の結果、MERS感染の疑いがあると判断され、自宅に隔離された人たちに対する管理は管轄保健所の“電話確認”と“訪問”だけだ。

 管轄保健所は疾病管理本部から疫学調査を通じて伝えられた管理対象者名簿の連絡先をもとにMERS感染の疑いがある患者に電話をかけている。

 名簿の連絡先が自宅の電話番号の場合は、有線電話で確認し、携帯電話の場合は電話確認と共に抜き打ち訪問で所在を確認しているという。

 しかし自宅隔離対象者がこのような管理を簡単に逃れることができる“穴”があちこちに存在している。現在の管理システムとしては、隔離者が虚偽の所在地を報告したり、訪問を避けて自宅を出て行ったりしてもこれをすぐに確認したり強制したりすることができる方法がないからだ。

 特に保健当局が管理する隔離者のうち、MERS感染の疑いが低い「能動監視者」は外出はもちろん、通常の日常生活まで可能である。こういった人たちに対して1日に何回も保健当局が電話をして体調を確認するが、本人が体の様子を正しく伝えなくても、それが本当なのかどうかすぐにわかる可能性はないのが現実なのである。

 実際に3名の自宅隔離対象者を管理しているソウル市内の保健所では、事実上、彼らに対する強制手段がなく、特別な措置をとれないでいる。

 この保健所の関係者は「疾病管理本部が通告してきた自宅隔離対象者が管内にいるが、特別な症状はなく、体温だけ少し高い状態だ」とし、「体温計を支援し、体温などを自宅測定させていて、家族間の感染を防ぐためにマスクなども支援して会話を最大限自制してほしいと伝えている」と説明した。

 隔離対象者の外出などをどのような方法で点検するのかについては「MERSコロナウイルスの最大潜伏期間は14日であるため、この期間は外出をできないようにしている」とし、「主に携帯電話で朝・晩の1日2回電話をかけて位置を確認している」と答えた。

 さらに「法的根拠もなく対象者が外出できないよう強制することができず、そうかと言っていちいち追いかけながら監視することもできないではないか」とし、「注意事項などを強調しながら、自宅にいてくれと言うだけだ」と現状を説明した。

 また別の保健所関係者は「疾病管理本部から送られた連絡先をもとに電話をかけて隔離対象者本人と通話する」とし「自宅の電話にかけた場合は家族が代わりに出る場合もある」と伝えた。

 さらに「潜伏期間である14日間、マスクを着用して自宅にいるよう注意するレベルだけで、実質的に位置を確認する手段はない」と述べた。

 このような保健当局のお粗末な管理は、保健所の人員不足問題も原因として現れている。ソウル市内のある保健所は、管内のMERS感染の疑いがある自宅隔離対象者を1人の職員が全て管理していることがわかった。

 この保健所では、職員1名が自宅隔離対象者に1日2回電話で様子を聞き、これに加えて他の電話や問い合わせなどに対応しているというのだ。

 しかし自宅の固定電話のない人には、やむを得ず携帯電話で連絡を取っている。事実上、自宅隔離がまともに行われているのか、確認する方法がないのと同じなのであるう。

 保健所関係者は「管理できる人員が少ないので、隔離対象者に対する自宅訪問はできない状況である」とし、「携帯電話で連絡を取っている隔離対象者が、自宅にいるのか外にいるのか確認することは本人の言葉を信じるしかない」と吐露した。

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